伝統の太鼓、プロ意識=丹下セツ子道場で新年会

2007年1月30日付け

 丹下セツ子太鼓道場は二十日、同道場の支部にあたる、マリンガ日伯寺(佐々木良法住職)の勢至丸太鼓とともに合同練習、新年会をサンパウロの丹下道場練習場で行った。コロニア最長の歴史を持つ丹下セツ子太鼓道場。唯一の支部との交流を深め、技術の伝達を行った。丹下セツ子さんは、〇八年十月に太鼓道場のショーを行う計画があると話し、「後継者育成に力を入れていきたい」と熱く語っていた。
 勢至丸太鼓が丹下セツ子太鼓道場の支部として始まったのが、約三年前。丹下道場で三十年前から太鼓を続けている浜崎芳一さん(42)が月に一回、マリンガまで教えに通っている。
 「ショーとして見せるための太鼓をやる、という目標でね。舞台を意識して、仲良く一緒にやるってだけじゃいいとは思わない」と丹下さんは、道場に対してのプロ意識を明確に持つ。
 佐々木住職は「子供たちに自分でやっているという自覚を持ってもらいたい」との考えから、勢至丸太鼓の活動内容は生徒らが計画している。「本場のメンバーに会ったことで、これからの刺激になってると思います」。
勢至丸太鼓のオサク・リスさん(16)は「どういうところに力を入れていけばいいかがよく分かった。一つのモデルを見せてもらったので頑張らなきゃと思った」。ジョナタン・ヌネスさん(18)は「会えてよかった。個人的なつながりができてうれしい」と笑顔。
 二時間、太鼓の練習をした後には、道場合同での新年会が行われた。
「マリンガもうちと同じ生徒だから区別しないよ」と丹下さん。「自分に何かあっても継いでいってもらいたい」と話し、「三十年と歴史も長いしね。道場発展の一つとして、来年十月には太鼓道場ショーを披露したい」と展望を述べた。