ホーム | 日系社会ニュース | 「親伯」「知伯」の青年を新たに産み出す=鹿児島県人会受け入れ=4期生4人帰国=ブラジルとの関係「今後も続ける」と約して

「親伯」「知伯」の青年を新たに産み出す=鹿児島県人会受け入れ=4期生4人帰国=ブラジルとの関係「今後も続ける」と約して

2007年2月15日付け

 ブラジルと鹿児島の交流を目的に行っている鹿児島県語学・外部研修の終了式が、パカエンブー区にある鹿児島県人会館で四日、行われ、二〇〇六年度・第四期生の柳かおり、廣居あゆみ、帖佐香織、上村恭代さんらが一年間の研修を終えた感想を発表した。研修生たちは口をそろえて「今後もブラジルとの関係を続けていきたい」と話していた。
 同研修制度は、「母県にブラジル通の若者を育成すること」を目標に、母県から受け入れた若者にブラジルの農業はじめ多分野の研修をする機会を与えている制度。母県と五年間の約束を結び、ブラジル鹿児島県人会創立九十周年記念事業として二〇〇四年からスタートした。
 雑誌社『ブンバ』で編集やイベントに携わってきた研修生の一人、柳かおりさん(28)は、研修生リーダーとしてまとめ役をしてきた。「研修生全員がブラジルに戻りたいとの意思がある。帰国してもこれきりではなく、関わりは消えないだろう」と研修生を代表して感想を述べ、「今後は、日本で研修生としての役目が待っています」と、母県で開催している「ブラジル展」での活動に参加する意志を見せた。また「これから自分たちに何ができるか考えるのも楽しみの一つ」と帰国後の期待を膨らませていた。
 ピラール・ド・スール日本語学校で教師をしていた帖佐香織さん(26)は、「子供たちから学ぶことは多く、そこで日本社会が抱えている問題を発見できた。将来の目標が見つかった」と再度、日本語教師としてブラジルへ戻りたいと述べていた。
 サンパウロ新聞社で記者研修を行っていた廣居あゆみさん(26)は、日系、領事館、日系進出企業を中心に取材してきた。記者として鹿児島県人会九十三周年(〇六年)を取材できたことが特に印象に残っているようだ。
 自由研修を行ってきた上村恭代さん(24)は、「なにも考えずに生きてきたが、ブラジルで考え直すことができた」と感想を話し、「ブラジルで出会えた皆さんには本当に感謝しています」と話していた。
 県人会の天達会長は、「これからが交流の始まり。関係をずっと続けていきましょう」と研修生に呼びかけ、「ブラジルで良い面、悪い面を大いに見て、いろいろな意味でプラスになったと思う。日本での生活も頑張ってもらいたい」とエールを送った。
 受け入れ先責任者となったブラジル・ダイドー商事を経営する園田昭憲社長は、ブラジルでの親代わりとして一年間にわたって研修生たちを見守ってきた。「研修生たちは、一人で旅行もできるほどポルトガル語も上達した。これが出会いの始まり。どんどんブラジルに帰ってきて欲しい」と研修生の語りかけた。
 当日は、池上忍名誉会長ほか、役員と婦人会会員らが出席。会場では、鹿児島県語学・外部研修終了証明書が研修生に配られた。なお研修生(廣井さん以外)たちは、九日に帰国した。

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