JICA招待=日本を直に見た=中学生世代、驚きや〃発見〃

2007年3月3日付け

 JICA(国際協力機構)は年に二回、カナダや中南米各国から日本語学校に通う日系人子弟を日本に招き、海外移住の歴史や現在の日本について学ぶ「日本語学校生徒研修生派遣制度」を実施している。
 今回、その第二陣として去る一月十日から二月九日まで、ブラジル、ペルー、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチンの三十八人の生徒が日本で研修した。
 ブラジルからは二十人が参加。その成果を報告するため二十七日、サンパウロ州出身の川畑暁美さん(15)、安楽あゆみさん(15)、高村聡くん(15)、清水愛美さん(14)、藤野恵美さん(14)ら五人が来社した。
 研修生らはJICA横浜移住センター内に宿泊。日本語の授業を受けると同時に、横浜市内の博物館や近郊の史跡などを研修旅行で訪れた。また横浜市内の中学校で学校生活を体験したあと、地方の日本人家庭でホームステイをおこなった。
 研修の最後には、海外移住者の歴史を発表するプロジェクト・ワークをJICA横浜館内でおこない、研修生やJICA関係者に学習の成果を披露した。そのあとに「研修旅行について」「誰々に伝えたいこと」をテーマに日本語で作文した。
 リーダーを務めた川畑さんは「日本の人はおとなしい人が多いと思っていたけど、とても元気なイメージだった」と感想。ホームステイ先では鹿児島県頴娃町御領にある祖父の出身小学校を訪れ、在校児童らといっしょにゲームをするなどして親交を深めた。
 大志万学院・松柏学園在学中の清水さんは、学校内で生徒がつかう「若者言葉」に驚いた。「みんな『チョー』などをよくつかう。日本語学校では習わない色んな表現をまなびました」。また「日本ではゴミの分別ができていて、ブラジルでも同じように広まっていったらいいと思う」と笑顔で振り返った。
 藤野さんは「生徒が先生に対して〃タメ口〃で話したのに驚いた」という。「日本語学校では先生にそんな感じで話したりはしないと思う。日本の生徒は先生と友達のような感じでびっくりでした」。
 高村くんは広島県の親戚の家にホームステイした。自動販売機の多さに触れながら、「日本のどこにいってもテクノロジーのすごさに驚いた」と語った。
 安楽さんは「日本でたくさん漢字を覚えた。将来の夢はまだわからない。でもせっかく日本語を勉強しているんだし、日本語とポルトガル語を生かして仕事をできたら」と話した。
 五人はそれぞれ日本への留学を希望しているという。