コラム オーリャ!

2007年3月3日付け

 すごいことだなあ、と思った。州教育局が行う日本文化教育プロジェクト「VIVA・JAPAO」である。
 サンパウロ州内にある五千六百の公立小中高に通う六百万人に加え、サンパウロ州外国語教育プログラム(CEL)の生徒が〃ニッポン〃に触れる。 一民族の歴史や文化を教育のテーマに取り上げる国があるだろうか。移民国家ブラジルならではの懐の広さだろう。来年移住百周年を迎える日本移民に対する最高の賞賛とみていい。
 日本ではどうだろうか。歴史教科書に移民の歴史を、という運動もあるが、若い世代は日本に何故、デカセギの日系人がいるのかを理解できないでいる。
 最近では、報道にあるように逃亡ブラジル人問題などネガティブなイメージが強くなっているようだ。
 この違いは何だろう。日本が振り返らないできた歴史、それを誇りに思う時代が来ているのではないか、とも思うのだが。     (剛)