第3回大会=農業婦人ら情報交換=ボリビア沖縄移住地からも参加=ADESCを軸に=農拓協主催

2007年3月16日付け

 第三回農業婦人大会(ブラジル農業拓殖協同組合中央会(以下、農拓協)主催)が、十四、五の両日、リベルダーデ区のホテル「バロン・ルー」で開催された。ボリビアの沖縄移住地からも有志七人が参加し、ADESC(農協婦人部連合会)からの十一支部を含め、グァタパラ、パラナ州のインテグラード、ミナスジェライス州ドウラードスなど十八カ所から約五十人の婦人らが集った。二日間にわたって講演、各婦人部の現状報告、グループ討論などを実施。各地での経験を共有するとともに、後継者の取り込みについて意識の持ち様、組織のあり方などの意見交換が活発に行われた。
 手作りの大会なので気軽に話をして、生(なま)の情報交換を――。大会の実施計画はADESCの役員を中心とした委員会によって立案され、地域別に分けない、座席を固定しないなど、率直な意見交換、積極的な交流がしやすいように工夫。
 一回目、二回目の参加者が三十人に満たなかったのに対し、今回はボリビアや、パラナ州カストロ、ミナス・ジェライス州サンゴンタルドなどから初めての参加者を加え、人数は倍増し、「国際色豊か(吉泉美和子ADESC会長)」な大会となった。
 十四日に行われた開会式には農拓協の近藤四郎会長、JATAKの馬場光男サンパウロ事務所長、野末雅彦JICAサンパウロ支所次長らが来賓として出席し、近藤会長が「南米の農業は注目を集めている。ブラジルが世界の食料供給地になる日もやってくるだろう。万全を期してそのときを待ちましょう」と、激励の言葉を贈った。
 一日目の講演は、サンタクルス病院に勤務する金城ソラヤさんによる「生活の質をいかに改善していくか」について。呼吸の仕方や軽く体を動かしてのリラックス法などが紹介され、参加者も一緒になって実演。二日目には、イビウーナで菊栽培を行っているシラハタ・ヨウイチさんとコレジオ・ブラジリアの坂本アヤコ校長、森本ルシア・サンパウロ蘭協会会長が自身の経験について講演を行った。
 シラハタさんは各婦人部、ADESCでの後継者問題にふれ、「組織の役員は、会員に〃お願い〃をする心が大事。『しなくてはいけない』ではなくて『してくれませんか』という態度を持つことがいい」とアドバイスを送った。
 体験発表を通して、進行役の栖原マリーナさんは、「三人の成功者に共通しているのは、夢があることと挑戦心があること」を総括。〃仕方ない〃という感覚での生活から、実現したい目標に向かって挑む心意気を持っての生活へと、参加者を鼓舞した。
 大会最後のグループ討論で、「婦人部の活動は自分自身のためにもなる」「すぐに『ノー』と言わず、継続して地域の問題に取り組んでいきたい」などと参加の感想が述べられた。大会での交流の成果は、地の代表らが地域へ持ち帰り、今後の活動に活かされることになる。