援協福祉センター稼動すれば=黒字見込み=月額1万2千レ――森口建設委員長が試算発表=施工会社決定、7月か

2007年3月24日付け

 「みなさま、これでご安心下さい」――。サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は二十二日、現役員による最後の定例理事会を開き、「援協総合福祉・医療センター」(通称・福祉センター)の運営収支見込みについて、少なくとも毎月約一万二千レアルの黒字を見込める、と発表した。森口イナシオ建設委員会委員長が報告した。今回の発表は、以前から具体的な運営収支の説明を求めていた関係者の声に応えた形だ。
 森口委員長は黒字見込みの根拠を、現在の文協ビルの必要管理費を引用して説明。同ビルの施設管理員の人件費、水道代、電気代の総計が昨年、月平均で、約三万レアルと紹介した。
 これを参考にして、同センターの施設管理の必要経費は、センターが文協ビルよりも小規模なことを理由に、「余裕を持って一万五千レアル」と仮定した。
 続いて、同センターの主要な収入源となるCHECK―UP(人間ドック)の純利益を、現在の日伯友好病院の実績をもとに、約一万八千レアルと算出。加えて、地下三階建ての駐車場からは約九千レアルの収益が見込めるとし、二つを合わせて、毎月二万七千レアルの利益が出るとした。
 一万二千レアルの黒字予測は、この二万七千レアルから一万五千レアルの施設管理費を差し引いた額だ。
 森口委員長によれば、この黒字額は少なく見積もったもの。人間ドックの受け付け日数を増やすなどして「現在より一・五倍近くの収益は見込める」という。
 このほか、外部団体へのサロンの貸し出しや総合診療所の収益があるため、「センターの経営に問題はない」と強調した。
 同センターはサンパウロ市リベルダーデ区のファグンデス街の土地(千三百五十平米)に建てられ、総合診療所や各医療検査室、福祉部などが入った地下三階、地上五階建ての施設になる。
 建設費は、施工会社が決定する今年七月ごろまで未定だが、「六百万から一千万レアルほど」と見込まれている。
 援協は〇七年度の運営予算にセンター建設費として、すでに六百万レアルを計上している。このうち三百万レアルずつが、友好病院の収益と神内医療福祉基金から充てられている。
 森口委員長は「センターでは太陽光パネルの設置に加えて雨水を活用する装置をつくり、毎月の経費が削減できるような工夫をしたい」と話している。