日本大学=「環境に国境はない」=ラプラタ川管理を研究

2007年3月27日付け

 ウルグアイ首都モンテビデオのユネスコ事務所で三月一~二日、来年開催される第五回ラプラタ川貯水池管理ワークショップのための準備委員会が行われ、日本から主催者の山敷庸亮(40)日本大学理工学部専任講師と荒功一(39)同生物資源科学部専任講師が現地を訪れた。
 「自然環境に国境はありません」。うち荒氏が、支援の労をとっている日本大学学友会ブラジル支部(小森廣会長)の羽田宗義役員と広報担当の坂和三郎氏に伴われ十二日に来社し、その晩帰国した。
 ラプラタ川はアルゼンチンとウルグアイの間を流れる約二百七十五キロの河川だが、ブラジル内のパラナ川を支流として持ち、ボリビアとも接するなど一国では管理できない広大な流域を持つ。ダム湖ではアオコ発生を伴う大規模な富栄養化が問題となり、日本からの技術支援が求められるなど、国境を越えた環境保全のあり方が課題とされている。
 「回を追うごとに各国政府がより協力的な姿勢をみせてくれるようになっています」と荒氏は説明する。これは日本大学学術助成金(理工学部分)で行われており、〇五年十一月には第四回を開催し、国連環境計画ダムと開発プログラム、世界水アセスメント計画などの五団体から約百人が集まって一週間のワークショップとなった。第五回は来年三月にブラジルのイタイプーで行われる。
 研究代表の山敷氏は日本ブラジル交流協会出身でUSP土木の修士課程を卒業、共同研究者の荒氏もUSP海洋学(九二~九九年)で博士号を取得しており、ブラジルとも縁が深い。