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持続的な農業めざし=ベラ・ビスタ移住地=「アマゾン有機農業研究会」発足

2007年3月29日付け

 アマゾナス州ベラ・ビスタ移住地(アサヒコロニア)の日系農業者を中心とした「アマゾン有機農法研究会」が一月に発足した。会長をつとめる山下明さん(69、神奈川県)が二十六日に来社。「まだ始まったばかりですが、これからは勉強会のほかに視察なども行なっていきたい。有機農業に関する情報など寄せてもらえたら」と呼びかけている。
 同研究会は、アマゾンの気候にあった持続的有機栽培の研究を通じて、安定した農業経営、自然の保全などを目的に発足したもの。事務局は同移住地に置かれ、JICAのシニアボランティアとしてマナウスに赴任している豊里勝一さんが世話人をつとめている。
 現在は、ベラ・ビスタ移住地の日系農業者十人ほどが参加している。同地ではこれまで養鶏に従事する人が多かったが、卵の需給バランスが不安定なこともあり、野菜や果物の有機栽培が着目された。
 二月二十四日にはブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)の関係者を招いて、アマゾナス州の農業とこれからの有機農業政策についての勉強会を開催している。勉強会は今後も月に一回開催する予定という。
 工業移住者である山下さんはマナウス市で鉄工所を経営。子供に経営を譲ってから農業を始めたという。有機栽培を始めたのは三年ほど前。現在は野菜やミカン、マモンなどを栽培している。
 「今まで個人でやっている人はいましたが、研究会として系統立ててやっていくことで州政府や市からも注目してもらえると思う」と話す。将来的には直売所の開設も視野に入れているという。
 まだ始まったばかり。回転が早いことから野菜や果物が中心になる見通しだが、「どの作物を栽培するかは、これから市場を見ながら検討したい」。
 今後は有機栽培を実践している他の農業者を視察することも考えているという。山下さんは「有機栽培に関する情報が不足しているので、『こんなことをやっている人がいる』というような情報があれば教えてほしい」と呼びかけた。
 山下さんの連絡先は92・9114・8528、世話人の豊里さんの連絡先は92・9114・3521。

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