コラム オーリャ!

2007年4月13日付け

 邦字新聞の死亡通知広告に、死亡者の家族(広告出稿者)の名がずらりと並んでいるのがある。先日見たのは、男子が長男から八男までの八人、女子が長女一人の合わせて九人。死亡者は母親で、みごと百歳だった。よくぞ生みました、と無条件に脱帽したくなる。
 「移民の子沢山」という言葉は聞かないが、戦前の移民には(日本の日本人がそうであったように)たくさんこどもをつくった夫婦が多かった。口の悪いムキは「ほかに何もすることがなかったから」などと言う。
 日本もブラジルも少子化の時代である。生みたくても生めない。昔は計画的でなかったことは確かだろう。はからずも、多かったのに違いない。
 ただ、コロニアの子沢山の高齢者夫婦は、今、多くの子や孫に囲まれて、おおむね楽しい思いをしている。これだけは統計こそないが、はっきり言える。(神)