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2007年5月10日付け

 宮城県人のブラジル移住は第一回移民船「笠戸丸」からはじまる。来年は県人移住百周年でもあるが、それだけではなく、一八〇三年、記録の上で初めてブラジル・サンタカタリーナ州を訪れた日本人である「若宮丸」乗組員の四人も宮城出身。さらに、笠戸丸以前の一九〇六年からサンパウロで営業し、一五年の聖総領事館開設までその代役も果した「藤崎商会」も宮城県の企業と、その関わりは深い。中沢会長は、節目にあわせ「ブラジルだけでなく、宮城県の移住史全体をまとめたものを作れないか」と提案しているが、さて実現するか。
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 ロンドリーナ、バウルー、サントス、松柏学園やオザスコ文協など各地でUNDOKAI(運動会)が行われており、ポ語地元紙を賑わしている。なかでも南マ州カンポ・グランデのそれは、アンドレ・プッシネーリ州知事が顔を出し、「コッパ・ド・ムンド」という競技に参加までしたというのは、いかに市民権を得ているかの証左だ。でも、その場で記者に質問され、同地で問題になっている連邦刑務所内でのPCC絡みの暴動に関して、「マットレスを焼いた奴らは地面に寝ろ!」と強硬発言し、別の意味で、話題を呼んでいる。
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 トウモロコシだけじゃない?――。日本の財団法人、東京水産振興会がこのほど、バイオエタノールの原料として、トウモロコシなどの穀物ではなく、大量に養殖した海藻で代替できるとする報告書をまとめた。共同通信の報道によれば、日本周辺の海域約四―八万平方キロを利用して年間一・五億トンの海藻を養殖すれば、現在のガソリン使用量の一割弱に当たる約五百万キロリットルのエタノール生産も可能と試算しているという。