■ひとマチ点描■これが〝金券〟

2007年5月12日付け

 アリアンサ移住地、その近郊で1927年から32年まで使用されていた「金券」が先日、ブラジル日本移民史料館で発見された。
 アリアンサで現在進められている「80年記念史」の編纂に携わる渡辺伸勝さん(関西学院大学大学院生)が先月4日付けの本紙で情報を呼びかけたところ、俳人の栢野桂山さんが今月3日付け投稿欄「ぷらっさ」に、かつて史料館に寄贈した、という一文を寄せてくれた。
 これ受け、史料館のJICAシニアボランティア、小笠原公衛さんが探したところ、金券を見つけた。
 金券は100、200、1000(単位はレイス)の3種類があり、多少差異はあるものの、4×6cmの大きさ。
 ただ、この金券は栢野さんの寄贈によるものではなく、第1アリアンサに住んでいた佐藤収(おさむ)さんが75年11月に寄贈したもの。佐藤さんの弟、啓さんは弓場農場の創設者の一人でもある。
 弓場農場の矢崎正勝さんは、「初めて目にして感激している。日本でいえば、藩札のようなもの」と声を弾ませ、今だ不明な部分の多い金券について調査を進めていく考えだ。(剛)