「永住者」6万人超える=デカセギの5人に1人=毎年1万人増の勢い続く=定住化裏付ける数字

2007年5月19日付け

 法務省入国管理局の外国人登録者に関する統計によれば、日本で「永住者」資格を取得するブラジル国籍者が二〇〇〇年以来、毎年一万人増の勢いで激増しており、今後もしばらくはこのペースが続く可能性があるようだ。すでに在日ブラジル人約三〇万人の五人に一人の割合になっており、デカセギの定住化を裏付ける数字となっている。
 法務省入国管理局が公表している平成18年版『出入国管理』の統計資料に記載された内容は次の通りで、毎年取得した人の分を足した累計となっている。以下各年末の数字だ。
▼九七年=  一六八六人
▼九八年=  二六四四人
▼九九年=  四五九二人
▼〇〇年=  九〇六二人
▼〇一年=二万〇二七七人
▼〇二年=三万一二〇三人
▼〇三年=四万一七七一人
▼〇四年=五万二五八一人
▼〇五年=六万三六四三人
 〇〇年以来、各年一万人ペースで増加しており、サンパウロ総領事館の査証班、港偉夫領事によれば「このまましばらく続く可能性は否定できない」という。平成十年(九八年)に入国管理局が永住許可に関する規制を緩和したことも、急増の要因の一つと思われる。
 同領事はまた、「いったん永住許可になっても、再入国許可をとってブラジルに帰ってきて三年を過ぎると、在留資格を失うことになる」と注意喚起する。
 外国籍者が「永住者」資格になっても、日本から外に出るときには「再入国許可」を発行してもらわなければならない。この「再入国許可」の有効期限が最大三年で、それを過ぎると滞在資格が無効になる。
 そうなると、せっかくの「永住者」が無駄になる。特に親と一緒に同資格をとった四世以降は、再入国許可を切らしてしまうと、一般の外国人と同様の扱いになるので要注意だ。
 「出入国管理及び難民認定法」(通称・入管法)の第22条(永住許可)によると、在留資格を永住者に切りかえるための条件は(1)素行が善良であること、(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、(3)その者の永住が日本国の利益に合すると法務大臣が認めること、の三点。
 ただし、三世までの日系人の場合などは、(3)の要件に適合すれば良いとされており、比較的難しくない状態になっている。
 「永住者」資格を持つと活動の制限がほぼなくなり、一部の金融機関から住宅融資が受けられるなどの特典がある。日本ではアパートで家賃を払うよりも、家を建てたり購入したりするブラジル人が増えており、そのような利便性を確保するために同資格を取得する人もいるようだ。
 「永住者」が七万人、八万人という時代もそう遠くないかもしれない。現在のブラジルの在留邦人は七万人弱であり、それを超えた在日ブラジル人永住者がいる現実をどうとらえるか。百周年を目前に、ポロロッカのように逆流する移住労働者の波が活性化している。