大耳小耳

2007年5月24日付け

 一九七〇年の誘拐事件で有名な大口信夫在聖総領事(当時)について調べたら、興味深い事実が分かった。実は、日本の郷土玩具や世界の民俗玩具の蒐集家で、一万二千点にのぼる「大口コレクション」は遺族が九五年に郷里の愛知県豊橋市に寄贈し、現在は同美術博物館に所蔵されている。ブラジル産の土人形などもあるとか。父親の大口喜六氏は豊橋市の初代市長で、その四男だった信夫氏。いつのまにか同市は県内有数のデカセギ最多自治体のひとつに。やはりブラジルとの奇縁を持っている。
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 ブラジル人が多く暮らす広島県呉市で、昨年、在住外国人から市の国際交流広場へ寄せられた相談が千百五十四件に達したという。中国新聞によれば、永住者資格の取得に関する相談が増加、そのほか医療関係や年金・税金に関するものが上位を占めた。九七年には百五十九件だった外国人の年間相談件数は、〇三年の四百六十八件が〇四年には九百四十七件に倍増。〇五年に初めて一千件を超えている。
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 先日の本欄で伝えた、外務省の「国際漫画賞」創設について。在サンパウロ総領事館に問い合わせたところ、各国の在外公館を通じて準備が進んでいるようだ。今回は応募期間が短いこともあり、各国の出版社やマンガ関係団体による推薦が中心になる見通しだという。さてブラジルからの応募はあるか?