コラム オーリャ!

2007年5月24日付け

 いつまでも忘れることができないお袋の味。それは何年経とうとも薄れることのないものだ。
 以前、取材後に一緒に食事をする機会を頂き、日本食を食べることとなった。
 メニューを一通り見終わると初めから決めていたようにカツ丼が入ったセットを注文。
 何故なのかと疑問を抱いていると自分から話してくれた。「もう60歳を超えたのだが未だに母親のカツ丼が忘れられない」と哀愁を漂わした。
 日本でもブラジルでもお袋の味を求めて数々のカツ丼を食べてきたのだがあの味に出会うことはできないそうだ。
 近年ではお袋の味ならぬ袋(インスタント)の味が一般食卓に並ぶことが目立っている。食文化の変化や両親の共働きにより子供に料理を作らないことも多いらしい。
 これならお袋の味を探すのになんら苦労する必要もない。   (坂)