サンパウロ市カーニバル=「優勝で百周年に華添える」=ヴィラ・マリア=テーマ「移民百周年」=お披露目式盛大に

2007年6月29日付け

 今年の移民の日には、少し風変わりな祝典も行われた。サンパウロ市北東部にあるサンバチーム、ウニードス・デ・ヴィラ・マリアは十八日夜、百周年記念協会役員やサンパウロ市日系社会代表者らを同クアドラ(会館)に招待し、日本移民百周年という来年のカーニバルのテーマのお披露目式を盛大に行った。同チームのダンサーや打楽器隊によるサンバショーが繰り広げられ、同チームメンバー約六百人らと共に楽しい一夜を過ごし、来年に向けて気勢を挙げた。
 「百周年をテーマに選んでもらったことを感謝したい」。そう飯星ワルテル連邦下議が最初に謝辞をのべたのを受け、セルジオ・フェレイラ会長は「この国の発展に貢献した日本移民の姿を六十五分間のパレードで表現しつくしたい」と熱く語り、「リオでも同じテーマを選んだが、サンパウロの力を見せてやる」と力んだ。
 来賓のワジ・ムランサンパウロ市議は「チーム名のウニードス(団結)は日伯のそれだ」と称揚し、野村アウレリオ市議も「来年のカーニバルは歴史に残るものになるに違いない」と語った。
 カルナヴァレスコ(美術総監督)のバキネル・サントス氏も「〇八年は必ず優勝して百周年に華を添える」と宣言した。

移民史たどるパレード

 そのあと、スライドでパレード概要が次のように発表された。第一の山車のイメージは「黄金郷を探した笠戸丸」で、その後に「先駆者」「外交官(修好条約)」「移民開始」「コーヒー園コロノ」「約束の地」「綿作」「金採掘」「黒い太陽(第二次大戦下)」などの順で仮装をつけたアーラ(隊)が続く。
 第二の山車は「輝きを取り戻した太陽」で、「皇太子同妃ご来伯」「民衆の記憶(移民史料館)」「政治家(安田ファビオ)」「マスコミ(翁長ヒデオ)」「芸術(間部学と大竹富江)」「文学(山城ジョゼー)」となる。
 第三の山車は「封鎖された夢(デカセギ現象)」で、続いて「ブラジルの地に高貴な方(九七年天皇陛下ご来伯)」「リベルダーデ」「チエテ川」「日本料理」「高齢者への敬意」「教育熱心」「伝統」「広島・長崎=悲劇を経て平和の守護者に」。第四の山車は「技術」で、「マンガやビデオゲーム」「折り紙」「武道」「スポーツ」「農業」「ダンスや音楽」「日本庭園」「千年文化」。

スポンサー募集も開始

 次にスポンサー資金計画を発表。十月にテーマ曲決定イベント、十一月にCD発売、十二月に記念写真集を発刊、〇八年一月に記念DVDを発売し、それぞれにスポンサー広告を表示する。練習場内に特別の広告スペースと特等席も用意され、グローボの中継を通して、全伯に加え、世界四十七カ国にも中継。また三百人からなるミニチームをスポンサーのイベントに派遣する。
 スポンサー料は四社の場合、各五百八十四万レアル(約三億七千万円)で、六社なら四百二十三万レアル(約二億七千万円)。VIP枠なら二十万レアル、マスター枠なら四十万レアル、プレミアム枠なら八十万レアル、ゴールド枠なら百五十万レアルとなっており、相応の特典がある。
 会場を訪れていた広島神楽保存会の細川晃央会長も「ぜひともパレードの中で、百人ぐらいの鬼の行列ができたら」と期待に胸を膨らませていた。
 最後にパッシスタ、バイアーナ、打楽器隊のサンバショーが繰り広げられ、普段は踊りなれない背広姿の日系来場者も、この時ばかりは一緒になって、おっかなびっくりサンバ・ノ・ペを踏む姿が見られた。