パラナ=実りあった経済使節団=西森州議が手ごたえ語る

2007年7月7日付け

 企業進出、エタノール、百周年への招待状――。今年三十五回目となるパラナ州友好経済使節団が去る五月に訪日、約一週間の滞在中、政府機関、企業、姉妹県の兵庫など各地を訪れたほか、皇族、政府関係者などに改めて、来年六月二十二日のパラナ百周年式典への招待状を渡した。同行した西森弘志ルイス・パラナ州議(パラナ日伯文化連合会長)はニッケイ新聞の取材に「大成功でした」と手ごたえを語った。
 ロベルト・レキオン州知事を団長に、州議四人、市長二人、州高官、企業家などによって構成された同使節団は五月十七日から二十六日まで日本を訪問。駐日ブラジル大使館、外務省、JICA、JBICなど政府・関係機関のほか、商社、企業、姉妹県の兵庫などを訪れた。外務省では松島みどり外務大臣政務官を表敬した。
 今訪問の目的として「来年六月の百周年式典への招待」「パラナ州の生産物の売り込み」「同州への企業誘致」の三つを挙げる西森州議。
 第一の目的である、来年の百周年式典に向けて、使節団は皇室をはじめ、政府、企業関係者などに式典出席を要請、兵庫県では百五十人以上の訪伯が見込まれることなど、「いい答えをいただいた」。
 同州の生産物としては、エタノールと、遺伝子組み替えをしていない大豆を売り込み。訪日団にはパラナ州アルコール協会(Alcopar)会長も同行し、同州からのエタノール輸出、投資について、主要商社も興味を示したという。
 企業誘致に関しても、大手タイヤメーカーの「横浜ゴム」(ヨコハマタイヤ)が、パラナ州への工場建設を計画しているという。進出は来年になる見通しだ。
 「大成功でした」と力を込める西森州議。自身は訪日団離日後、マリンガの姉妹都市加古川市や、高校時代を過ごした高知県などを訪問。橋本大二郎高知県知事も表敬した。
 パラナ日伯文化連合会会長として同州式典の式典委員長をつとめる同州議によれば、来年は五万人の出席を目標にしているという。法要は、一宗派にとらわれない、様々な宗教による大法要が計画されている。
 式典にあわせ、同じ会場で日伯の先端技術・農業を紹介する「エキスポ・イミン(Expo IMIN)」も実施される。日本側関係者だけでなく、「これからはサンパウロの日系企業にも呼びかけていきたい」と西森州議。「百周年は、日本移民の功績をアピールし、ブラジルに感謝する節目。さらに、これから百年先を見据え、日伯の経済交流を再活性化するチャンスだと思う」と意気込みを語った。
 同州百周年委員会は、州関係者、州内七十二日系団体を中心とした約四百五十人で組織される。上野アントニオ・パラナ日伯商工会議所会頭が祭典委員長、嶋田巧・元パラナ日文連会長が祭典委員長、安立ルイス・カルロス氏が総務部門を担当。レキオン州知事が名誉委員長を務める。