自閉症教育の専門家=三枝シニアを歓迎

2007年7月18日付け

 薬を使わず自閉症の治療法を研究し続けブラジル、アメリカ、ウルグアイ、ニカラグアの各地で講演、実践してきた、JICA(国際協力機構)シニアボランティア・三枝たか子さん(社会福祉・サンパウロ自閉症児父兄会)の着任歓迎会が、十四日午前、本門仏立宗日教寺で行われた。迎えたのはサンパウロ日伯援護協会、サンパウロ自閉症児療育学級、本門仏立宗日教寺。
 三枝さんは、ウルグアイで約十二年間のボランティアを経て、五日に着任し、サンパウロですでに活動を始めている。
 菊地義治自閉症児支援三グループ代表、村本清美、松井環JICAサンパウロ支所職員、田尾清日教寺理事長、高木ラウル・ニッケイ新聞社社長ほか日系団体関係者らが出席。
 開会で自閉症学級へ通う青空学級の四人の児童たちが入場し、マラカスを持ちながらサロンでダンスを踊った。途中、三枝さんが一人の児童に手をかし、背中を押す姿も。参加者は、一緒にリズムに合わせて手拍子をしていた。
 菊地代表は「開校して一年三カ月が経ち、子供たちの知能や心が充実し、良い結果を出している。三枝さんが来て、また一段と〃戦力〃になり、心強い」と歓迎。
 村本さんは「これから自閉症治療が発展、向上することと思う。今後JICAとして研究に協力できることをしたい」と述べた。
 次に嶋原まさ子さんが着物姿で登場し、日本舞踊を披露した。学級の場を借りて関係者が週二回集り、舞踊やエアロビクスなどを楽しめる環境づくりをすすめようというデモンストレーションでもあった。
 三枝さんは「今ここにいる四人の児童天使たちが、いつしか世間を覆す人になることを信じて、教育に取り組みたい」と意気込みを話した。山下忠男援協専任理事が乾杯の音頭をとり、懇談が始まった。
 三枝さんによれば、自閉症教育に必要なことはたくさんの愛情を注ぐことと、対人関係を作って心を広げさせること。今後の目標は、今青空学級の子供たちは小さいけれど、これからどう生き抜いていくか、それぞれの将来を目標に協力して一緒に考えていくこと。もう一つは、日系社会に自閉症に関してもっと知ってもらい、ブラジル社会に貢献できる教育をすることだ。
 最後に児童や関係者が記念撮影をし、歓迎会を終えた。