パラナ平和友の会10周年=誇り、桜3千本育苗

2007年7月19日付け

 【ロンドリーナ】パラナ平和友の会(間嶋正典会長)が創立十周年を迎えた。記念行事の一環として、去る六月二十日、プリメイロ・デ・マイオ市にある同会副会長の谷口幸一さんの農場、および同市の観光地の見学をかねて小旅行が行われた。
 一行は三十二人。午前九時、ロ市を貸切バスで出発、七十二キロ走って、十時に到着した。早速、谷口邸で記念写真を撮り、「谷口サッカー場」を観る。サッカー場は谷口さんが地元文協に施設ごと寄贈したもので、文協が市に無料で貸し、市が運営している。
 次の視察は、毎年二回は近隣都市の住民や観光客を集めて農産物展やショーが行われる市営の遊園地。チバジー川を利用したダム湖が広がり、六キロ先でパラナパネマ河と合流する。遠望できる島は日系人の所有する農地で、今は主にロ市の有産者の別荘が並んでいるという。一行は遊園地内のレスタウランテで昼食、湖で獲れた新鮮な魚に舌づつみを打った。
 遊園地内には、平和友の会が育成した桜の苗が植えられ、六年もの六十本が、十日ほどで満開という状態だった。
 食後、谷口さんが経営する六農場のうち、町から三キロの五十アルケールの農場を視察したのち、再び谷口邸に戻り、友の会十周年の記念式典を開催した。谷口さんが「十周年記念行事が、ロ市から七十二キロも離れた当市で行われ、光栄」とあいさつ、戦没者、開拓先亡者の霊へ黙祷が捧げられ、友の会の会歌を合唱した。
 間嶋会長は「この十年間に亡くなられた会員は十八人にもなります。心からご冥福を祈ります。ロ市のアルツール・トーマス市営公園に植えた桜の苗木は、いろいろ障害もあって、成育が遅れていますが、私たちが育てた三千本は各地で順調に育っており、平和を理念とした桜の苗木育成は、今後とも続けたいと願っています」と述べた。
 「十年の歩み」回顧録は、来る八月の集いで配布されることが伝えられた。
創立当時から功績があった東口正さん(前会長)、故古田挌三郎さん(前副会長)、故原田定俊さん(前副会長)が表彰され、古田満智子さんが代表して受け取った。
 このあと余興。講談、電子オルガン演奏、即興浪曲、日本民謡、歌謡などで賑わった。最後に谷口さんの賞品提供でビンゴが午後五時まで行われ、一行はミーリョ畑が夕日に映える美しい観光地プリメイロ・デ・マイオをあとにした。   (中川芳則通信員)