日本ブラジル学生フォーラム復活なる=東大と東農大有志中心に=9月にまず訪伯先遣隊=両国の時差活用=IT開発ねらう

2007年7月21日付け

 【東京支社=藤崎康夫支社長】一時途絶えた状態になっていた日本とブラジルの学生フォーラムがこのたび、新たに東京大学と東京農業大学の学生有志により復活した。六月十七日に東京・台東区の南風舎(岡宏代表)で「日本ブラジル学生フォーラム」の発会式が行われ、東京農業大学において定期的にミーティグを開始し、九月には先遣隊がブラジルを訪問することになった。同時にメールマガジンを発行する。
 発会式には東京大学と東京農業大学在学の七人と、それを支援する人々が集まった。ブラジル側の協力者として、コチア青年の中沢宏一氏と横田尚武氏が参加。またアルファインテル南米交流の佐藤貞茂氏ら東京農業大学の先輩たちも、同会の発足を祝った。
 日本ブラジル学生フォーラムは、夏休みなどを利用して学生同士が往来して、交流を深めることを目的とした学生の会。現在、アメリカや中国、インドなどと交流する学生フォーラムが活動している。
 特に、海外最大の日系社会があるブラジルとの交流は重要として、結成準備がすすめられてきた。
 同フォーラム委員長の斎藤慶太さん(東京大学工学系研究科)は、「現在、アメリカ・インド両国は緊密な関係を持っていますが、理由の一つは両国間の十二時間の時差です。このIT時代、この十二時間の時差を生かし、両国は組むことにより二十四時間、絶え間なく仕事を続けることできるのです。十二時間の時差を生かすIT時代です。日本とブラジルの時差も十二時間です。日本のIT開発には、日本の文化を理解できる相手が必要です。ブラジルには日系人というよきパートナーもいます」と、新たな時代の日伯関係を語った。
 また、「いま、書店などを見ますと、韓国や中国の本棚は一つ、二つありますが、ブラジル関連書数冊といった有様で異常に感じます」と、日本のブラジルへの関心の薄さを指摘し、これからの活動の重要性ついてものべた。
 当日の講演者中沢氏は、ブラジル日本人移民の歴史を語り、また戦後移住者について自分の体験を加えて話した。単身移住者である「コチア青年」たち、また一大事業だった「セラード開発」などについて講演。そして今後の日伯両国のあり方について語った。
 九月の訪伯学生は、サンパウロ、首都ブラジリア、バイア州、横田農場などの訪問を予定している。