ペルーとブラジル=共通項は日本=女声4合唱団交流

2007年7月21日付け

 サンパウロの女声合唱団「パイネイラ」「文協」「ピッコロ」と、歌で交流を深めようとペルーから来伯した「ペルー日系コーラス婦人会」二十八人が、十七日午後八時から、文協ビル小講堂で「冬のコーラス」を行った。
 サンパウロのコーラス三グループが、九九年にペルー・リマで交流をした際、コーラス婦人会が感動し、また開催できないかとのことで、今回、海外日系人大会で来伯の機会を設け、八年ぶりの再会となった。
 開演前、原田フェリシアさんが「日本はブラジルとペルーから遠い国。ブラジルとペルーも遠いが、歌を通じてまた一緒になる機会ができたことに感謝する。両者の間には日本という共通のものがある」とあいさつ。
 最初に「パイネイラ」十九人が入場し、吉田輝男さんの指揮で歌唱。滑らかなピアノの音色と歌声が会場に響きわたる。
 次に今回一番の注目が集まった、「コーラス婦人会」二十八人が、鮮やかなオレンジ色の衣装を着て舞台に並ぶ。
 森崎芙美子(リマ在住=日系二世)指揮者が構えると、メンバーらが楽譜を開き、一気に静まりかえる。そして歌い始める。聴衆は、目を凝らす人、目を瞑り顔でうなずきながら拍をとる人などさまざま。井上陽水の「少年時代」ほかペルーの歌を含め合計八曲を熱唱した。その後「ピッコロ」、「文協コーラス」がそれぞれ三曲づつ歌った。
 最後は、全グループ、指揮者、伴奏合わせ九十二人が混合になり、「古里」を力強い声で熱唱した。繰り返し同曲が流れ、聴衆も歌い、会場が一体化した。
 一時間半の公演は、賑やかなムードで終了した。衣装を身に付けたまま、ニッケイ・パラセホテルで合同夕食会が行われた。
 上原幸啓文協会長は「ようこそブラジルへ。とても見事な歌だった。特に『芭蕉布』と『千の風になって』を聴いて、私の人生に似ていると感じた」と歓迎。
 森崎指揮者の話によると、「コーラス婦人会」はソプラノが一部、二部、三部構成、アルトが二部に分かれている。週一回の二時間、日本とペルーの曲を練習している。「今回八年ぶりに交流ができたことが何より嬉しい。またブラジルで機会があれば歌いたい」と満足した様子。
 同婦人会は、十八日、海外日系人大会の開会でコーラスを披露したあと帰国した。