日系初の女子プロゴルファー=飯田さんが日本で合格=3年間の苦労のりこえ

2007年7月27日付け

 日系初の女子プロゴルファーが誕生――。日系ブラジル人のマリア・プリシラ・飯田さん(27、三世)が、今月広島県で行なわれた日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のプロテストに見事合格した。訪日から三年、ゴルフ場の研修生として働きながら腕を磨いてきた結果が今回の合格に繋がった。二〇〇三年にブラジル国内でプロになっているプリシラさん。日系ブラジル人が日本でプロゴルファーになるのは初めてのことだ。父親の飯田パウロさんはニッケイ新聞社の電話取材に「娘から今日の朝早くに合格の報告があった。すごく嬉しそうに話していた」と声を弾ませながら答えた。
 両親の影響もあり、五歳からゴルフを始めたプリシラさんは、アルジャ・ゴルフ・クラブで練習を続けてきた。母親のアウリアさんもブラジル内で名前を知られていた選手だった。
 幼い頃からブラジル国内で有名な選手に成長。日系ゴルフ大会はじめ各大会でも優勝を飾った。ブラジル国内では二十七回優勝経験がある。
 二〇〇四年に訪日し、研修生として東海カントリークラブへ。受け入れ実現にあたっては、OSG株式会社取締役の大沢勇四郎氏の助力があった。
 プリシラさんは今年一月に南アフリカで行なわれたゴルフのワールドカップにもブラジル代表として参加し、十二位とまずまずの結果を残している。
 現在アメリカツアーで活躍しているアンジェラ・パク(韓国系)さんともナショナルチームで一緒にプレーした経験もある。
 プロテストは二十四日から二十六日まで、広島県安芸市のリージャスクレストゴルフクラブで行なわれた。二十六日午後六時(日本時間)に日本プロゴルフ協会からプロテストの結果が発表され、合格を掴み取った。
 日本のプロ試験には何度も挑戦していたが、壁は高くなかなか合格することができなかった。それだけに今回の合格は本人にとっても嬉しい結果だった。
 父親の飯田パウロさんはニッケイ新聞社の取材にこたえ、「今日の朝早くに、本人から直接プロ合格の報告があった。試合直後だったので少ししか話ができなかったが、本当に嬉しそうな声で話していた」と喜びをあらわした。
 プリシラさんを指導していた近沢宗貴アルジャ・ゴルフ・クラブ理事長は、「幼い時からブラジル内で有名な選手だった。今回プロになったのはクラブにとっても、とても名誉なこと」と嬉しそうな声で話した。