コラム 樹海

2007年7月28日付け

 サンパウロはこのところちょっと冷え込んだけれども、例年にくらべれば暖かい。あるいはこのまま春に繋がるかもしれないし寒さ嫌いのご老人にはなんともありがたい暖冬である。恐らく南半球はみんな暖かいのだろうが、北半球の夏は炎暑が続き大変らしい。欧州では熱波で多くの市民が倒れ死者もいる。ハンガリ―では猛暑のために1週間で500人超が死亡した▼ル―マニアでは過去最高の44度を記録し、暑さで倒れた19000人が病院に収容されたそうだ。イタリアでも犠牲者が多く中南欧は酷暑に悲鳴を上げている。海を越えたイギリスは豪雨で洪水が起こり35万戸が水浸しなって大騒ぎである。あのイラク戦争の一帯は5月を迎えると50度を超えるのだが、今年はどんな具合だったのか―と気になる。日本も熱気は高く鹿児島は36・6度の猛暑に見舞われて参っている▼日本の暑さは気温もだが湿気が多いのでことさら堪えるし辛い。それでも土用の丑の日には夏ばて防止にと「うなぎ」を食べるのだが、これも「うな重」一つでは足りまい。今年の丑の日は7月30日で列島の鰻店は大賑わいだろうが、いや「どじょうがよろしい」の説もあってこの判断はなかなかに難しい▼韓国だと夏には「補身湯」人気が高い。ポシンタンと発音するらしいが、犬を鍋にしたもので「美味」であり「暑いときにはこれに限る」と自慢する。日本でも昔は食べたし中国人も大好きらしい。これはまあ食文化のことだしとやかく安易に批判はできないが、それにしても、寒い冬の鍋料理に猛暑の夏にも犬鍋と同じなのがおもしろくもおかしい。  (遯)