この人を知りませんか?《22》=皇軍慰問袋

2007年8月2日付け

 ブラジル日本移民史料館の所蔵写真を紹介する「この人を知りませんか?」。今回は、第二次世界大戦開始の前年、ブラジル在留邦人が母国日本に送った「皇軍慰問袋」の写真です。
 時は一九三八年八月。戦前の在伯邦人社会の中心だったバウルーに、各地の日本人会から寄せられた慰問の品の数々です。
 中央で座っている男性が物品取扱幹事の大釜七蔵氏。後ろの三人が右から、バウルー連合日本人会長を務めた佐藤次郎氏、羽賀仁吉氏、加来晋一氏であることが分かっています。
 寄贈時の記録では、袋の中身は手拭やハンカチ、席捲、歯磨きヨウジ(歯ブラシ)などだったようです。当時の早尾季鷹バウルー領事、石原直憲同代理領事宛てに送られています。
 この三年後、四一年十二月には日米が開戦し、日伯の国交は断絶。在伯邦人にとって苦難の時代へとつながっていきます。
 写真に関する情報を持っている人は史料館(11・3209・5465、小笠原)まで。