本場に行けるか=ブラジルのYOSAKOIソーラン  日本側、強い「招く意向」=資金集め計画具体化へ=100周年の交流話煮つまる

2007年8月3日付け

 百周年を機に、YOSAKOIソーランでも交流を――。第五回YOSAKOIソーラン大会(ブラジルYOSAKOIソーラン協会=飯島秀昭代表=主催)には、本場札幌のYOSAKOIソーラン祭り組織委員会から、山口敏郎事務局長、同祭り交流協議会(長沼昭夫会長)から鮎川季彦副会長が視察に訪れた。「ブラジルのチームを日本に連れていきたい」と、日伯の三団体が共同し、二〇〇八年の第十七回YOSAKOIソーラン祭り(札幌で開催)へのブラジルからの参加を計画。これから日本国内での資金集めが始まる。将来的には「日本のチームをブラジルへ」との想いもある。

 来年に向けた計画は飯島さんが日本の友人らに呼びかけ、昨年の十一月ごろから長沼さんや鮎川さんらを中心に、実際に話が動き出した。組織委員会、北海道副知事や祭りのメインテレビ局である北海道テレビ放送を訪問し、ブラジル側からの意向が伝えられている。
 山口さんは「ブラジルと交流できることに、非常に感激してます。組織委員会としては出来る限りのことをしていきたい」。ブラジルのチームが日本まで辿りつけば「その後のことは委員会が何とかする」。
 同協会はこれまでアメリカ、台湾、中国やシンガポール、オーストラリアなどとも交流してきており、「私たちも出るし、外からも来てもらう」という双方向の関係を築いてきた。
 「YOSAKOIソーランは市民の祭りなので、日本文化をアピールするというよりは、参加者同士が直接交流できることが大事」と、ブラジルチームの受け入れを歓迎する。
 ただ、目下問題となっているのは、日本―ブラジル間の渡航費だ。グループでの移動となるために決して安くない。そこで今年六月、有志らが集い「YOSAKOIソーラン祭り交流協議会」が立ち上がった。
 鮎川さんは「日本とブラジルの窓口となって動くとともに、お金を集めるための受け皿として機能しています」と、協議会の役割を説明。賛同する美容師らを募って日本全国でチャリティーカットを開催し、資金を集める企画が決まっている。
 「今の段階で、五十人程度の美容師の協力をもらっています。百人くらいは集めたいですね」と鮎川さん。十月八日に一回目のチャリティーカットが千葉で開催される予定だ。
 ブラジル側協会の飯島さんは「話は前向きに進んでいる。何が何でも実現させますよ」と嬉しそうに意気込む。大会を始めたころから「百聞は一見にしかず。ぜひブラジルに見に来てほしい」と日本側へ呼びかけてきた。
 山口さんはブラジルでの大会に参加した印象を、「ブラジルに来ている雰囲気ではないよ。まるで札幌にいるみたいです」と笑顔で語り、「思っていた以上にレベルの高い演目。一人一人が真剣に取り組んでいる姿勢に感動している」と講評。
 「北海道は歴史がある分うまく踊れるわけであって、ブラジルではこれからブラジルのスタイルが作られていくだろう」と期待の言葉を述べた。