百周年=ようやく半額にめどが付く=日系宗教や企業から寄付=松尾執行委員長「まだまだこれから」=観光相に合わせ訪日へ

2007年8月4日付け

 ブラジル日本移民百周年記念協会の執行委員会が二日午後に開かれ、免税口座団体(OSCIP)「文化社会統合機関」に日系宗教を中心に六十万レアルほどの寄付がすでに振り込まれたことが報告された。翌三日に行われた記者会見で、松尾治執行委員長は「ようやく約半額はめどが付いたが、まだまだこれから。大小に関わらず、みなさまからの幅広いご協力をお願いしたい」と呼びかけた。執行委ではそのほか、マルタ・スプリシー観光大臣が九月に訪日し、来年のブラジルへの観光を促進する働きかけをするのに合わせ、松尾執行委員長が訪日することも承認された。
 来年の記念式典や各種主催事業など、百周年協会が想定している事業総額は約千七百万レアル。
 すでに七月の記者会見で匿名希望の日系新興宗教から三十万レアルが振り込まれていることが明らかにされていたが、その後、生長の家から二十万レアルが振り込まれ、さらに幾つかの日系宗教とも接触があるという。
 企業関係では、日本の「フジワラ・カンパニー」から百万円の海外送金があった。ブラジル側ではルキ製菓から十万レアル、サクラ醤油から二十万レアルが近日中に振り込まれ始める予定だと発表された。
 当日の記念式典にかかる約四億円の費用に関しても、半分を負担しても良いというブラジル企業がでてきており、「現在、詳細を調整中」という。ともに記者会見に臨んだ遠山景孝・執行委員会広報担当は日系進出企業の反応は「まだ厳しい状況」だと説明し、今後、さらに理解を求めたいと言う。
 財務委員会からの提案で、一枚二十五レアルで四枚セットのリッファを一万二千セット、合計百二十万レアル分を早急に作り、九月から広く一般に協力を依頼する案が承認された。景品は車二台、日本行き航空券、パソコンなどの五点。計画では今年中に今回分を売り切り、来年にもう一度行いたいとしている。
 なお、岐阜の長良川花火を来年の百年祭式典当日に打ち上げる計画が中止になった件も報告された。
 一方、マルタ観光大臣が九月十一日から十五日まで訪日、隔年で開催される海外旅行情報イベント「世界旅行博ワールドトラベルフェア」などにも出席し、百周年の機会を利用してブラジル観光を増やす働きかけを行う。それに合わせ、松尾執行委員長も先回りして九月三日に訪日し、関係団体との事前折衝などの任務に当たる。帰伯は同二十四日を予定している。
 ようやく動き始めたサンパウロ市百周年の募金活動。これからが正念場だ。