日本の技術と伯の経営力で=SEMP=東芝との提携30年祝う=西田社長迎え記念式典=テレビシェア25%に

2007年8月9日付け

 SEMPの資金力と経営力、TOSHIBAの技術と商品で、三十年――。SEMP TOSHIBA(アフォンソ・アントニオ・ヘンネル社長)が、一九七七年の(株)東芝との資本・技術提携開始から三十年を迎えた。マナウスとサルバドールに工場を持ち、ブラジルのテレビ販売の二十五パーセントを占める同社。七日、日本から西田厚聰(株)東芝取締役兼代表執行役社長を迎え、三十周年記念式典がルネッサンス・ホテルで開催された。年間十パーセントを超える成長を掲げている東芝とSEMP TOSHIBAは、今後も引き続き新たな事業を展開していくと、ブラジルでのさらなる発展を期した。
 「はじめは、ラジオの工場でした」とヘンネル社長。一九四二年に創業したSEMP社は五一年に、初めてブラジル産のテレビを製造。その後、七七年に東芝との提携を決め、年々事業を拡大してきた。
 九六年には「SEMP TOSHIBA INFORMATICA」を創立。〇六年の総売上高は二十二億レアルで、ブラジル国内のみで、二百七十万台のテレビを販売している。
 東芝の西田社長は、三十年のあいだに両社がブラジルで大きく展開してきた要因に、「パートナーとしてのSEMP社の力は大きかった」。経済的な苦境の中でも運営し続けることができるだけのSEMP社の資金力、また、製造にかける情熱と、ブラジルの市場における経営力を理由にあげ、それに「東芝の技術と商品提供力」が合ったと話した。
 西田社長はまた、SEMP TOSHIBAに対しての投資を増やすことはないとしつつ、「今は話せないが、今後もSEMPとの関係で、さらに新たな事業を展開していく」と述べた。
 ヘンネル社長は「技術はどんどん広がっていっている。携帯電話やGPSなど他の分野にも参入することを検討して、市場について深く研究しているところだ」と、今後の展開への意気込みを見せた。
 式典には、西林万寿夫在サンパウロ総領事、アレンカル・ブルチ・サンパウロ商業協会会長ほか、工場所在地からはジャケス・ワグネル・バイア州知事、エドワルド・ブラガ・アマゾナス州理事が出席。
 ヘンネル社長が、四二年のSEMP社創立からの経緯を説明したのち、西田社長が「将来のテクノロジー」と題して講演を行った。
 西田社長は「東芝の多くの経験、技術を伝えたい」と講演をはじめ、成長を続けること、多様な革新をし続けることの大切さを訴え、「めまぐるしく変化し続ける市場に対応していくとともに、会社組織自体も変えていかなくてはならない」。「成長には、いかに日常ベースで革新を続けていけるかが重要だ」と話した。
 会場には四百人近くの企業関係者が集い、節目の記念を祝った。