グアタパラ文協=東京植民地で慰霊法要=ゆかりの人に参加呼びかけ

2007年8月21日付け

 「東京植民地にゆかりの人はご参加ください」―。グアタパラ農事文化体育協会(川上淳会長)は、近郊のモツーカにあった東京植民地と入植初期に死亡した移民が埋葬されているリンコン市営墓地の二カ所で九月一日午前十時から、慰霊法要を行なう。仏教連合会の協力。
 〃消えた移住地〃である東京植民地は一九一五年、グアタパラ耕地から、馬場直氏(長崎出身)が十五家族を率いて建設。
 マラリアなどにより、入植後一年で家長八人が亡くなるなど、その過酷さは凄絶を極め、多くの乳幼児も犠牲者となった。三〇年台にカフェや綿作で最盛期を迎え、延べ千五百家族が入植したと言われる。六二年に最後の入植祭が催されている。
 同文協が慰霊祭を行なうのは、今回初。川上会長は、来年百周年を迎えるにあたり、「先人の顕彰とともに、忘れられようとしている東京植民地で亡くなった人の慰霊を考えた」ときっかけを説明する。
 なお、リンコン市営墓地には、グアタパラ耕地の監督・通訳官だった弘田千代太氏の墓もあり、併せて法要が営まれる。
 「生まれて間もない幼児の死亡届が多くあり、当時の悲惨な状況を感じた」と話すのは、リンコン市の登記所で調査にあたった新田副会長。死亡者名簿のデータ化を始め、同文協として東京植民地の歴史掘り起こしも検討中だという。
 法要後、グアタパラ移住地中央公民館で佐々木会長代理による法話に続き、昼食会が催され、東京植民地の関係資料の展示も行なわれる。
 来社した同文協、仏連関係者は、東京植民地にゆかりのある人の参加を広く呼びかけている。
 問い合わせはグアタパラ文協(電話=16・3973・0016)まで。