ボリビア日系移住地の言語=初めて本格的調査を

2007年8月24日付け

 ボリビア日系移住地における言語実態を調べるため、日本から研究調査団が来伯、二十三日から現地で談話収録調査をおこなっている。事業テーマは、グローバルCOE「コンフリクトの人文学」国際研究教育拠点・リサーチフォーカス1「言語接触とコンフリクト」。二十一日、調査団の工藤真由美大阪大学大学院教授(代表)、山東功大阪府立大学専任講師、岡山大学大学院の中東靖恵准教授が説明に来社した。
 調査団は日本の言語研究者ら八人で構成。二十三日から二十六日まで戦後移住者が中心のボリビア・サンタクルスの沖縄第一移住地に滞在し、世代別に沖縄方言やスペイン語、日本語の言語実態を調べる。その後、首都ラパスにあるJICA事務所で文献収集をおこなう予定だ。
 来社した三人は「ボリビア日系移住地の言語調査を本格的におこなうのは今回がはじめて」と述べ、日系社会を言葉の観点から切り取ることに意義があると強調した。
 来年八月には日本移民百周年にあわせて、大阪とサンパウロで今回の研究調査を踏まえたシンポジウムを開催する予定。また「ブラジル日系社会における言語接触(仮題)」を題名に、過去五年の研究成果をまとめた専門書も刊行するという。