お見合い会は〃福祉活動〃=参加常連の男性 「続けて」と切望

2007年8月31日付け

 悩める中高年男性たちに生きる喜びを与えてくれる――。そんな声が寄せられる援協福祉部主催の「お見合い会」。これまで数多くの見合いを成立させてきた同会も、最近は男性の参加者が固定化し、女性参加者も減少、主催側の開催準備の負担もあって、「中止を含めて今後を検討中」にあると報じた。(既報・今月十七日付け)。そこで今回、これまで援協お見合い会に十回以上参加している常連の日本人男性の一人(78、サンパウロ市在住)に、お見合い会参加の本音を聞いてみた。
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 「そりゃガールフレンド目的ですよ。結婚はいろんな条件がからんで大変だし」。男性にお見合い会参加の理由を尋ねると、間髪入れずにこう返ってきた。
 この男性は五年ほど前に妻に先立たれたのをきっかけにお見合い会へ参加。「この年になっても夜の方はまだまだ男だしさ、もう一度男として返り咲きしたくてね」。
 お見合い会に参加する男性の特徴を尋ねると、「四十から五十歳代は離婚経験者、それ以上は私と同じ境遇な人が多いのでは」という。男性によれば、このような参加男性が全体の八割から九割を占める。
 これまでのお見合い会で女性によく聞かれて困った質問は「給料の額」。男性はこの質問に対して、「いつもカマをかけて実際の二倍くらいに言っている」と語気を強める。
 以前お見合い会の主催担当者を取材した際、女性からモテる男性は「経済力のある人」だった。この男性も「女性もそうだけど、経済力のある人は服装・振る舞いからすでに違っている」と指摘する。
 八十歳を前にしたこの男性に、好みの若い女性の範疇をたずねると、「四十代以下は若い、三十代はピチピチしている」とニヤリ。「この年では外で簡単に女性へ声をかけられないし、出会いの場をくれる援協のお見合い会は助かる」ともいう。
 このほかにも男性は、「せっかくならお見合い会を外部のプロに委託してみたらどうか」と提案。主催する福祉部の関係者が「準備に疲れているようだし」と男性はいう。
 現在五十五レアルの見合い会の参加費については「少し高いけど払う。見合い会が中止になったら困るしね。援協にはいろいろとお世話になっているし、協力金のつもりです」。
 男性にいわせれば、高齢者問題の相談が増えている中で、援協福祉部が手掛けるお見合い会は「それこそが福祉であり立派なこと」。「是非、今の年に四回のペースでお見合い会を継続してほしい」と切願した。