静岡県警から太田警部来伯=訪日警察官にセミナーも=サンパウロ市

2007年8月31日付け

 JICA(国際協力機構)とサンパウロ州軍警察が連携して行っている技術協力プロジェクト「地域警察活動」の短期専門家として、静岡県警察本部から太田昌志警部(50)が来伯した。
 今月九日から二十七日まで滞在し、現在までに州内で導入されたモデル交番の状況、軍警施設等の見学のほか、資料整理などを行った。
 二十四日の午後三時からは軍警本部内で九月三日から研修のため訪日する十人の警察官に対して「平成十九年度本邦研修参加予定者向けセミナー」を行った。
 同セミナーにはJICA長期専門家の石井孝さん(神奈川県警警視)、太田さん、JICA聖支所の村本清美職員らをはじめ、警察関係者、地域住民約三十人が参加した。
 太田さんは、日本の交番制度の概要などを説明。訪日する警察官に「日本の交番は本部が離れているのに関わらず、なぜしっかりと組織化されているのか」と「交番と自治会の関わり」の二つをしっかり見てきてほしいと話した。
 続いて石井専門家が日本にある警察学校について説明。警察学校を卒業した後はまず地域の交番で勤務しなければならない、との話に参加者らは少々驚いた表情を浮かべていた。
 その他にも駐在所や交番システム、地域巡回の意義などについて話し、日伯との違いを説明した。
 最後に村本さんが、日本についての簡単な説明や行く際の諸注意などについて話をした。
 セミナー終了後には参加者全員でカクテルパーティーが行われ、交流。日本へ研修に行く人たちは「日伯の違いを体験してきたい」、「交番制度を実際に見てみたい」などと意気込みを語った。
 石井専門家は「少しでも日本の警察事情について分かってもらえたと思う」と安心した様子だった。