国際交流基金=講演「神々の雫」に120人=「2千年の歴史に感銘」

ニッケイ新聞 2007年10月3日付け

 サンパウロ市にある国際交流基金の日本文化センター多目的ホールで二十六日夜、講演「日本酒・神々の雫」が行なわれ、約百二十人が詰めかけ、立ち見もでるほどの盛況ぶりだった。同センターが実施する食文化シリーズ「味の知恵」の一環。
 講師を務めたのは、日本酒「白鹿」を扱っている食品輸出入会社「トラドブラス(TRADBRAS)」のマーケティングマネージャー、石井セルソ氏。
 酒の起源や製造方法、純米、吟醸の違いなどに関し、写真を使いながら説明、会場からは次々に質問が寄せられた。熱心にメモを取る人の姿もあり、日本酒に対する高い関心を伺わせた。
 聴衆も参加しての鏡割りや銚子と猪口での注ぎ方の模範も行なわれ、注目を集めていた。
 石井氏は、白鹿の工場見学時に感じた杜氏たちの職人気質と酒造りに対する思い入れの深さに触れ、「日本人にとって、酒を飲むこと、造ることは神聖なことでもある」と熱く語り、会場に配られた酒で乾杯、講演を締めくくった。
 サケピリーニャや冷酒などが振舞われたカクテルパーティーでは、来場者らはそれぞれのスタイルで酒を堪能、その香りと味を楽しんでいた。
 バーに勤めているロサーノ・ヘイネンさん(23)は、「二千年も続いている酒の歴史に感銘を受けた」と感想を語り、「サケピリーニャだけでなく、アグア・デ・ココやフルーツジュースでのカクテルも若者に人気」と最近の傾向も話した。