コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2007年10月17日付け

 隣国ベネズエラのチャベス大統領が、十二月の憲法改正にからみ、国内の民間資産を国家管理する方針を発表した。
 同国にも、三百人の一世を含む約一千人の日系社会が存在する。来年には移住八十周年を迎える、長い歴史をもつ。日系二世が駐日大使を務めることでも知られる。
 ブラジルでも、古くは戦中の強制立退き、近年では九〇年の預金凍結令など、移住者が築いてきた生活は時の国家・政治状況に翻弄されてきた。
 今回の報道にある民間資産というのが、具体的にどこまでを指すのかは不明瞭だが、気になるニュースだ。
 八十年の節目を「若い世代が新しい日系社会を構築するきっかけに」――サンパウロ市で開かれた日系人大会の会場で、ベネズエラ日系人協会長が話していたのを思い出す。今回の措置は、同国日系社会にも影響を及ぼすだろうか。      (ま)