50周年で座禅堂建設=曹洞宗仏心寺=日伯両国で資金あつめ=慈善バザー売上げも充てる

ニッケイ新聞 2007年10月23日付け

 サンパウロ市への登録から五十周年を迎えるにあたり、曹洞宗両大本山南米別院仏心寺が座禅堂(日本文化研修館併設)などの記念事業を計画し、寄付を呼びかけている。十三日に開催された婦人部主催慈善バザーの売上げの一部も同記念事業にまわされた。
 一九五五年に当時曹洞宗管長だった高階瓏仙禅師が来伯、信徒の心を一つに束ね、寺院の建立の道を開いたのがきっかけ。以来、四人の布教総監を経て、法灯が守られてきた。
 サンパウロ市サンジョアキン街添いに現在ある仏殿の背面に、五階建て、延べ床面積三千五百平米の座禅堂「道光閣」を建設する。その内部には、日本文化研修館、宿泊施設、位牌堂、多目的ホール、駐車場、日本庭園などがつくられる。
 今までは宿泊設備がなかったため、各地からの摂心参加者が作法の面で指導が受けられないなど、不便の状況になっている。
 予算は二億円。檀徒五百戸からの浄財を中心に、日伯両側で半額ずつ集めたい、としている。できれば来年着工し、〇九年ごろの完成を目指す。
 十三日の慈善バザーは、同寺の年中行事の中でも最大規模のイベント。昼頃には、ヤキソバやもち、肉饅頭を食べる人でホールはいっぱいになった。このバザーの仕込みのために、同婦人部は前日の朝六時から準備をはじめていた。
 同婦人部では毎月、料理講習会を実施しており、四十~五十人が集まる。斉藤明子婦人部長は、「作らなくてもいいから食べに来て」と笑顔で呼びかける。参加費は十レアル。この参加者が今回のバザーでも多数協力している。
 今回の収益は婦人部の活動費になるほか、福祉団体にも寄付され、座禅堂建設費用にも充てられる。
 南米国際布教総監、采川道昭住職はバザーでにぎわうホールを眺めながら、「座禅堂建設は、歴代総監の夢でした。できるだけ私の代で完成させたい」と意気込んだ。