コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2007年10月24日付け

 石川県の金沢大学で、アガリクスの抗がん作用を調べる臨床試験が始まる。現地の北國新聞が報じている。厚生労働省が助成、公的研究費によるものとしては国内で初めてという。
 厚労省が、動物実験でアガリクスを使った健康食品に発がん促進作用が認められたと発表したのが、昨年の二月。実際には調べた三製品のうちの一つで、中国産の原料を使ったものだったが、大手メディアの報道はブラジルの関連業者にも大きく影響した。業者の〃苦境〃に関する話も聞こえていた。
 あれから一年半余り。当時の状況よりは改善したかもしれないが、一度流れた「噂」を打ち消すのは難しい。レアル高も進み、厳しい輸出環境に変わりはないだろう。
 今回の臨床は半年かけて人への安全性を確認後、がんへの有効性を調べるという。結果次第では追い風になるか。(ま)