ピニャールにも鳥居ができる=サンミゲル・アルカンジョ=高さ10m、移住地と市で=ロータリー、道路整備も=落成式は移民の日に=「福井県からも来てほしい」

ニッケイ新聞 2007年10月26日付け

 コロニア・ピニャールにも鳥居を建設――。現在同地の文化体育協会(徳久俊行会長)とサンミゲル・アルカンジョ市が協力して、日本移民百周年記念事業の一環として鳥居を建設する計画が進んでいる。合わせて移住地入り口のロータリー建設と移住地へ続く道路の舗装工事も行われる。来年の移民の日までには完成させ、イナウグラソンを行う計画だ。同地の関係者は「福井県からも多くの人を呼んで盛大に行いたい」と意気込みを見せている。
 発案者は同市市長のアントニオ・セルソ・モッシン氏。昨年、同文協の西川修治前会長らと訪日した際に、日本各地を見学して数多くの鳥居を目にした。その時に来年日本移民百周年と入植四十五周年を記念して建設計画が持ち上がった。
 当初は、ピニャールが同市への入り口であることから、移住地の入り口(Bairro Colonia Pinhal 162km)に建てることを計画していた。
 しかし、DER(サンパウロ州道路局)の問題により、道路の上を通すことは難しくなった。そのため、移住地の入り口になる同地に新しくロータリーを作り、その中に鳥居を建てるように方針を転換、検討している。
 ロータリー建設に伴ない、ロータリーから同移住地へと続く約六・二キロの道路の舗装工事を行う計画になっている。建設から十五年以上が過ぎ、毎年自分たちで〃だましだまし〃補修してきたが、基礎工事からしなおさなければならないとのことで、五年ほど前から要請をしていた。
 舗装費用は百八十万レアルで、サンパウロ州から出資されることになった。着工は年末頃を予定しており、施工会社を選んでいるところ。同費用内で道路舗装とロータリー建設を行う考えだ。
 アントニオ市長も同市を挙げてこの計画を後押ししている。費用の援助は行わないが、政府との交渉役などを担当している。
 鳥居の予算は約六万から七万レアルを予定。現在、寄付を募っている。ソロカバの日系企業や日本の民間企業に寄付を募る意向だ。
 大きさはリベルダーデの大阪橋にある鳥居と同じぐらいのものを作る計画で、幅が約七メートル、高さ約十メートル。「Seja Bem vindo Sao Miguel Arucanjo」と「Boa Viagem」の両方の文字を刻み込む予定にしている。
 徳久会長は「来年の移民の日までに完成させて、その時期にイナグラソンを行いたい」と意気込みを語り、「イナグラソンには福井県知事や市長を呼んで同時に記念式典も行いたい。慶祝団の皆さんなど大勢で盛大に祝うことができれば」と期待を表した。