映画『ゼロからの風』=水曜シネマで特別上映=31日

ニッケイ新聞 2007年10月27日付け

 文協の水曜シネマで三十一日、サンパウロ映画祭出品作品である映画『ゼロからの風』を上映する。それに先立ち、午後一時からは特別に、塩屋俊監督と映画のモデルである鈴木共子さんが舞台挨拶する。
 主演は田中好子。最愛の夫に先立たれ、一人息子の零と暮らす主人公。大学に入学したばかりの息子が飲酒運転の車にはねられ死亡。加害者は飲酒、無免許、再犯だったにも関わらず、数年の懲役という判決。同じような悲しみを背負う人を一人でも減らすため、刑法の厳罰化を訴えて母親は立ち上がった。
 鈴木さんが亡き息子の人生を共に生きるために、実際に息子と同じ早稲田大学への入学を果たし、協力者たちと三十七万人集めた署名活動が「危険運転致死傷罪」新設につながったなどの実話を盛り込み、独自のストーリーが展開する。
 日本ブラジル中央協会関西支部の三宅信史支部長が制作に関係した縁で、「サンパウロ映画祭にいくなら、日系コロニアのみなさんにもぜひ見てもらいたい」と考え、サンパウロ新聞の鈴木雅夫編集局長の仲介で、文協が引き受けることになった。
 水曜シネマのコーディネーター、布施直佐さんは「めったにないチャンス。ぜひ見に来てください」と呼びかけた。文協会員は無料、非会員は三レアル。ポ語字幕付き。