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2007年度百歳表彰=今年は受章者13人が出席=在聖総領事館=日本からの祝状に感激=最高齢は101歳の宿屋さん=ブラジル国内では79人=邦字紙、NHKが楽しみ

ニッケイ新聞 2007年11月15日付け

 日本政府の二〇〇七年度百歳表彰の祝状と記念品の伝達式が、十二日午後三時からモルンビー区にある在サンパウロ日本国総領事公邸で行われた。同館管内での対象者は三十四人と過去最高。当日は十三人の受章者本人が参加したほか、代理人や家族、関係者ら六十人が集まった。西林万寿夫総領事は「本日ここで百歳を迎えたことを心からお祝いを申し上げたい」と喜びのコメントを残した。伝達後は、列席者全員で食事を楽しみながら歓談した。
 今年度の百歳表彰対象者はブラジル国内で七十九人と過去最高の人数になった。その内在聖総領事館管内では、三十四人だった。
 当日は十三人の受章者本人が出席。山下譲二文協副会長、松尾治県連会長、森口イナシオ援協会長、重岡康人老ク連会長らが来賓として臨席した。
 西林総領事は式典に先立ち「在外公館の中でサンパウロが一番多い」と笑顔で話しつつ、「常日頃から周りの人の交流があったからこそ、ここまでこられたのだと思う。来年の移民百周年はみなさんで一緒に祝いましょう」と挨拶。
 受章者の名前が読み上げられ、最高齢の宿屋ヤヲさん(101、東京都)から順番に一人ずつ満面の笑みを浮かべながら、内閣総理大臣の祝状と金杯を受取った。続いて、西林総領事夫妻や来賓、各家族が一緒に記念撮影。撮影後は森口援協会長が、参加者のさらなる健康を願って乾杯を行った。
 サンパウロ市在住の山本善三郎さん(大阪府)は三二年五月三日にサントス港に到着。三五年までレジストロで農業に携わり、その後サンパウロ市で雑貨店を営んできた。七五年に引退して、余生を楽しんでいる。二年ほど前までは一日コップ一杯のビールを飲んでいた。以前は俳句を詠んだり、アチバイアでセラミカの指導を行ったりしていたが、現在は体調を崩していて療養生活を送っている。
 佐藤巌さん(熊本県)は三〇年にノロエステに入植。その後、ガルサに移り、農業を引退して六三年頃にサンパウロ市に移った。九十五歳までは数キロ離れたバンカへ新聞を買いに行くほどだったという。現在は朝からカフェを飲んで、新聞を読み、NHKを見て、玄関に座って友達と雑談を楽しんでいる。ブラジル食も日本食も好きで、フェイジョアーダも問題なく食べる。一番の好物は刺身だそう。
 徴兵を終えて二十三歳の時に移住した後藤粂蔵さん(山口県)は「日本政府から貰ったものは本当に嬉しい」と感慨深そうだった。後藤さんは移住してからカフェランジャ、バストスでアルファ屋という洋服店を経営していた。現在までほとんど病気をしたことがないという。秘訣は「特にはない」と言いながらも「習慣的に水になるまで、噛んでいるからね」と笑顔で話した。最近はNHKを見るのが楽しみだという。
 最後には用意された料理に箸を進めながら、互いの長寿を喜び合い、歓談を楽しんだ。

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