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友達づくり大成功=聖南西の日語校=今年も林間学校=ピラールで4日間=多感な年頃にふさわしい体験=「できるだけ日本語で通した」

ニッケイ新聞 2007年12月28日付け

 【ピラール・ド・スール】聖南西教育研究会主催の第十四回聖南西林間学校が、十~十三日、ピラール・ド・スール文化体育協会の敷地内で行われた。地区の日本語学校の十二歳~十五歳の生徒九十人が参加、教師、アジュダンテを含めると百二十人を越えた。生徒たちは、三日間、日本語で話すようにつとめ、未知だった同世代と打ち解けあった。また、食事を自分たちで支度する生活をした。親の有難味がわかったのではないか。
 今年の後半新たに研究会に加わったレジストロ日本語学校から初参加があり、さらに、ノロエステ地区からも十五人の生徒と二人の教師が加わった。昨年、同地区の教師三人が視察を込めて参加していたが、今年本格的に実現したもの。
 初日午前十時半より開校式。城島将男文協会長の挨拶で始まり、次いで渡辺久洋教育研究会会長は「この三日間、少しでも日本語を使い、いろんなことを経験し学び、素晴らしい仲間を作り、素晴らしい時間を過ごし、そして素晴らしい思い出を作ってください」と励ましの言葉を述べた。
 その後、八班に分かれ、班毎に係り決めが行われた。全員に役割、責任を持たせる狙いで、班長だけでなく記録係や出し物係など生徒全員が係りを担当し、連日係り会議も行われた。
 昼食後のプログラムは班対抗タグラグビー大会。地区の一部の学校や交流行事で行われてきたが、多くの生徒は初めて行うスポーツであった。初めは戸惑いも見られたが、すぐルールを覚え白熱した攻防が繰り広げられた。皆最後まで一生懸命取り組み、午前中は緊張していた生徒達は自然に打ち解け仲良くなった。
 その後、二つの班が夕食作りを行った。この三日間、食事はすべて生徒達が担当教師と共に作った。夕食後、五目並べ大会が行われた。
 二日目は六時半に起床し、ラジオ体操。夜中から降り続く雨のため会館内で行われた。午前のプログラムはノロエステの教師によるレクリエーション。「先生当てクイズ」などを行い、盛り上がった。午後はオリエンテーリング。会館の敷地を帝国とみなし、ただゲームをさせるだけでなく凝った趣向が巡らされた。
 夜はキャンプファイヤー。始めに会館で班の出し物が行われた。全て日本語。また各班とも良く考えられた発表で笑いが絶えなかった。アジュダンテの発表や教師の発表も三つあり、賑やかに進んだ。
 激しい雨のため、その後のキャンプファイアーは行われず、代わりに会館内で皆が光る腕輪をしてろうそくを持ち、電気を消した。館内は神秘的な空間に変り歓声があがった。今年の林間学校のテーマソング「島人ぬ宝」を皆で歌い、自然発生のウェーブも起きるなど気分は最高潮に達した。
 三日目の朝は思い出の品作り。裁縫でクリスマスにちなんだキーホルダーを作った。初体験者も皆真剣な眼差しで、教師や友達に手伝ってもらったりしながらも、自分の作品を作り上げていった。
 昼食後、全員で掃除を行ってから閉校式になり、後藤紀子シニアボランティア、高野喜信聖南西文化体育連盟教育部長から「この三日間でできた友達、交流をこれから何十年も続けていってほしい」と願いをこめた挨拶があった。
 最後に生徒、教師全員が肩を組み合い、一つの輪になり「島人ぬ宝」を合唱する時には感極まって涙を流す生徒も見られた。

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