旧都リオでも百周年が開幕=レセプションに2百人出席=「未来につながる百周年に」

ニッケイ新聞 2008年2月23日付け

 【リオデジャネイロ発】一月十五日のサンパウロ市、十七日のブラジリア、二月十三日のサンパウロ州に引き続き、二十一日夜にはリオデジャネイロ州百周年記念事業のキックオフレセプションがリオ市長公邸(Palacio Da Cidade)で行われた。州知事、リオ市長はじめ駐伯日本国大使、リオ総領事、州内日系団体の代表など二百人以上が訪れ、会場は満員となった。セルジオ・カブラル州知事は「ブラジルの文化の町リオに、日本国民が根付いたことが素晴らしい。将来にわたって祝っていくべきだ」と賛辞を送った。
 リオ州百周年・日伯交流年実行委員会は、リオ日伯文化体育連盟、リオ日伯文化体育協会、リオ日系協会、リオ商工会議所の四団体を中心に構成される。同州百周年記念事業の予算は三百万レアルで「資金面に関しては、現在ほぼ問題のない状況にむかっている」と、鹿田明義実行委員長は語った。
 午後七時の開会にともない、ピアノ演奏者の清水由香さん、歌手の小俣景鼓さん、田中雅子さんたちが「夏の思い出」や「千の風になって」などの日本の歌と「アクアレラ・ド・ブラジル」などのブラジルの歌を披露し、来場者から万雷の拍手を浴びた。
 日伯両国歌斉唱に続いて、石井清史領事がリオ州内で行われる百周年の記念事業を紹介。「小さなパンフレットだが、重要なことが書かれている」と強調した後、サンパウロの百周年協会の記念マスコットを手がけたマウリシオ・デ・ソウザ氏から届いたお祝いのメッセージを代読した。
 鹿田実行委員長は日本移民の歴史を称えながら、「今年の百周年のイベントだけでなく、未来へと繋げていけるようにしたい」と力強く話した。
 福川正浩在リオ日本国総領事は「リオはブラジルの文化の中心地で、日伯関係において重要な場所」と述べた。
 同委員会副名誉委員長のセザル・マイア・リオ市長は、フルミネンセ連邦大学の教授がサンタクルスの農業状況を調査した論文を読み上げた。その中で、一九三八年に移住した日本人農業移民に関する記述に触れ、日本移民は初等から成人教育までしっかり行っていて教育レベルも高い。現在はリオをはじめ、ブラジル全土に日本文化が溶け込んでいる、と述べた後に「日系人に協力できていることを光栄に思い、日本移民には尊敬と敬意を表す」と賛辞を送った。
 同委員会の名誉委員長を務めるカブラル州知事は百周年関連行事を同公邸で行えることを喜びつつ、「過去を祝うだけでなく、『ガイジン』の映画にもあるように、現在、将来にわたって祝っていくべきだ」と強調した。
 島内憲駐伯日本国特命全権大使が、リオ百周年事業の成功を祈って乾杯の音頭を取った。
 サンパウロから訪れていた上原幸啓ブラジル日本移民百周年記念協会理事長は「今回のように各地で開幕行事が行なえたことは良かった。日本移民百周年は日系コロニアだけでなく、ブラジル全土のものだから」と力強く話した。

リオ州百周年=記念事業カレンダーを発表=12月まで25イベント開催

 リオ州百周年実行委員会は二十一日にリオ市で開かれた同州日本移民百周年キックオフレセプションで、同委員会が企画、今年開催される公式イベントを発表した。
 主なイベント名、開催日程は次の通り。=【二月十九日、二十日】結城座(江戸糸操り人形)(開催済み)、【三月十六日】ヘブライカ・クラブで日本のアニメのポケットモンスターやナルトなどのアニメプロデューサーを務める岩田圭介氏の講演、作品上映会、懇談会、【五月二日】シリア・メイレス劇場で宮城会の琴の演奏会、【六月二日】移住百周年記念式典及び移住功労者表彰(州議会)、【六月十日~七月二十七日】国立歴史博物館で武道の精神展、【六月中】バレンサ市に五十本の桜の木を植樹、【六月二十一日】リオ市のカンデリア教会で移住先没者追悼法要ミサ、【五月二十六日~七月十三日】ブラジル銀行センターで日本の歴史などを紹介する総合イベント『ザ・ジャパン』展示会(七月二十八日~九月二十八日はブラジリアのブラジル銀行で開催)、【六月十三日~十五日】海上自衛隊練習艦隊歓迎式典、【六月二十三日】日伯音楽交流、【六月中】リオ州日本移民史発行、【六月中】アゴラ公園内にイッペーの木の記念植樹、【六月二十四日】浜松市大凧挙げ祭り、【六月二十六日~二十九日】日系展示会(農産展)、【七月十七日~二十日】ペトロポリス市日本週間、【八月十二日】日伯経済フォーラム、【八月十八日~三十日】第十回日伯友好カップ(日伯サッカー交流)、【八月二十七日】加藤みや子現代舞踊公演、【八月二十八日~二十九日】第十九回全伯日本語・日本文学・日本文化教師会、第六回国際日本研究学会、【九月一日~三十日】大美港展、【九月二十三日】早稲田大学グリークラブ公演、【十二月】創造する伝統(ピエゾグラブ展と雅楽・舞楽・声明)、【十月~十二月の間一カ月間】浮世絵版画展。