県連=与儀昭雄氏が会長候補に=一世役員の支援を条件に=沖縄県人会、援協も後押し

ニッケイ新聞 2008年2月26日付け

 松尾治ブラジル日本都道府県人会連合会会長が「県人会と県連の会長職を辞めて、百周年に専念する」と宣言してから早一カ月半近くが経過。会長候補選びに奔走していた県連執行部が、ついに次期会長候補の擁立に成功したようだ。白羽の矢を立てたのは、現執行部の副会長で、サンパウロ日伯援護協会傘下のやすらぎホーム経営委員長、沖縄県人会会長を務める与儀昭雄氏(63、二世)。与儀氏は「私は日本語が苦手なので、現執行部の一世の人たちが手伝ってくれるなら受ける」と会長候補に名乗りを挙げることを承諾した。
 二月三日に行われた福岡県人会定期総会で新会長が選出されたことで、松尾会長が県連の会長を続けることはなくなった。これを受け県連執行部では、次期会長候補に与儀副会長に挙げることを決め、説得を続けてきた。
 今月十八日夜に市内で行われた執行部夕食会の席上、執行部側として最終的に与儀氏に会長立候補を要請。その後、与儀氏が二十一日に松尾会長、加藤恵久、山田康夫両副会長の三氏に対して、会長候補を受けることを承諾した。ただし「現執行部の一世の人たちが全面的にバックアップをしてくれるなら」と条件を出した。
 与儀氏は以前から現執行部のシャッパの会長にとの打診に対し、援協や県人会との関係から拒否の姿勢を貫いていた。ニッケイ新聞の取材に対し、最終的に立候補要請を受入れたことについて「援協の森口イナシオ会長も県連会長を受けることを承諾してくれたし、県人会も全面的にバックアップしてくれる」とその理由を語った。すでに県人会の理事、相談役などにも話しているという。
 一方、沖縄県人会では「現在のところ、理事会など公の場で発表していないからなんとも言えない。本人の発表を待ってから」と慎重な姿勢を見せつつも、「八月に行う沖縄県人移住百周年記念式典は問題なく事が進んでいる」とコメントした。
 山田副会長は「一カ月以上掛かってようやく承諾してくれた」と安堵の様子。現在新シャッパ作りを進めている段階という。山田副会長は「以前の松尾会長のこともあるので慎重になっている人も多い」と現状を話しながらも、「今週中には組み終わるだろう」と見通しを示した。
 県連執行部の予定では、今年の定期総会は三月二十七日に開催される。総会十日前のシャッパの提出期限に向かい、他候補を含み執行部選挙への動きが加速しそうだ。
 残り一カ月、選挙で「与儀会長」が誕生すれば、沖縄県人会長としては初めての県連会長就任となる。