「100号まで漕ぎつけたい」=『日系文学』武本賞を特集

ニッケイ新聞 2008年4月3日付け

 『ブラジル日系文学』二十八号「武本文学賞特集」が発行された。巻頭言「移民百周年に際して」の中で、同誌が前身の『コロニア詩文学』から通算すると八十八号になる、と書いている。
 以下は〃自評〃。「この文学的エネルギーはどこから生じたのか。端的にいえば、武本由夫が唱導した『コロニアから文学の灯を消すな』『作者たちに発表の場を作れ』の熱望が文学愛好者の心底に根付いたからに他ならない。そこで、差し当たってわれわれの為すべきことは『ブラジル日系文学』を通算百号刊行に漕ぎつけることであろう」。
 二十八号の内容は、小説佳作三編「ニート氏」(加藤武男)、「ひと夏の出来事」(中村茂)、「四十年目の復讐」(富岡絹子)、翻訳佳作「欲望」(佐東三枝)、随筆入賞「情報源となった記憶」(水野昌之)ほか佳作三編、短歌入賞「遥かなる木霊」(高橋有三)ほか佳作二編、川柳入賞「迷走旅情」(土佐政巳)ほか二編、俳句佳作四編、詩佳作四編、他に連載ブラジル文学『時と風』あるロドリゴ大尉(第十三章、エリコ・ヴェリッシモ作、田畑三郎・八巻培夫共訳)、ほか。
 ポ語ページに武本賞「ペケーノ・コント」の佳作作品三編が収録されている。