侍たちがサントスに着いた=二天武道研がパフォーマンス

ニッケイ新聞 2008年4月9日付け

 サントス港埠頭で五日、二天武道研究所(岸川ジョージさん主宰)による「日本の侍(さむらい)たちがサントスに着いた」の記念イベントが行なわれた。日本移民百周年を記念したパフォーマンスで、サントス市スポーツ観光局が全面的に協力した。およそ、二百人くらいの市民が会場を訪れ、興味深々に〃出演者〃たちを見つめて、拍手を贈った。
 パフォーマンスは、百年前、笠戸丸から侍たちが埠頭に降り立った、という場の再現だった。日本人移民を侍に見立てたのである。侍に扮したのは、二天武道研究所の道場の会員たち五十人。なんとブエノス・アイレス、サルバドール、ブラジリアからも集まった。それぞれが自分たちの羽織、袴を着用し、「気持ちはすっかり侍」だった。所要時間は約二十分。そのあと、埠頭で古武道、剣術、柔術の演武が披露された。
 イベントを実行したシジアルタ・レゼンデさん、斎藤みどりさんによれば、もちろん侍が来たはずはなく、二天武道研究所は「侍の精神をもった日本人が百年前、着いた」ということを表現したかった。
 パフォーマンスとは別に、二天側からサントス市当局に対し、侍たちが日本刀を手渡す儀式も行なわれた。続いて、日伯両国国旗がそれぞれ、交換された。