「親しまれる県連」に=県連=新執行部が就任あいさつ=県人会との絆強めたい

ニッケイ新聞 2008年4月9日付け

 先月二十七日の定期総会で新執行部を選出したブラジル日本都道府県人会連合会。発足から約二週間が過ぎ、活動を開始したようだ。八日、与儀昭雄会長(沖縄)、園田昭憲(鹿児島)、山田康夫(滋賀)両副会長が就任あいさつを兼ねて来社。新執行部の状況報告とともに、これからの活動方針、フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭)など、県連の将来について意見を述べた。

【定款改正】
 今年に入ってから改選の年であったことも影響して、県連定款の不備を指摘する県人会会長の姿が目立った。
 指摘を受け、執行部側では定款改正委員会の設置を検討している。園田副会長は、「執行部から二、三人を含めた七人ほどで委員会を設置し、年内までに各県人会の意見などを聞いて、まとめ、指摘されないようなものを作り直したい」と希望を語った。
【フェスティバル】
 いまや県連最大の事業であり、会の財政の大半を担う日本祭。近年では予算の拡大に伴ない、係争中の追加請求裁判、バザリスタ担当の未納金問題など様々な問題を引き起こしてきた。今回は今までの失敗を繰り返さないように、日本祭担当の監査委員会などを作る計画案も出されている。財務担当の山田副会長は、「今までのうやむやの状況を打破したい」と意気込む。
 日本祭以外に目立った事業がない県連。昨年までは、県連主催でカラオケ大会やゲートボール大会などを開催してきたが、昨年は行われず、今年は事業計画から外された。今年は昨年に続き弁論大会、百周年締め括りの記念フェイラを行なう予定だ。与儀会長はさらに、「各県人会のサロンなどは有効利用されていないところもある。お金をかけずに有効的に使っていければ」と意見を述べた。
【県連委員会】
 連合会内には部門ごとの小委員会が設置されているが、現在は活動停止状態。園田副会長は「与儀会長を軸に、委員長を通じて縦の繋がりを強めていく。三カ月以内にはできるでしょう」と再活性化への見通しを語る。
 あわせて、「ホームページなどを活用した広報活動の強化、各県人会の状態把握とともに、県連として日本をはじめ、パラグアイやボリビアなどの近隣諸国にある連合会との繋がりも強化していきたい」と山田副会長。
 与儀会長は、「これからは会長の意見が絶対というだけではなく、執行部として意見をまとめて活動していきたい」と語った。
 与儀会長と園田副会長は四月二十四日に東京で行われる百周年式典に参加するために訪日する。「今回の機会を使って、県連と全国知事会など日本側との関係を築きたい」と希望を口にした。
【百周年】
 総会でも指摘があった百周年について与儀会長は、「残り二カ月しかない状況で(県連として)事業を行うのは時間的に無理」と説明。園田副会長は「与儀会長を委員長にして百周年委員会を発足させる」との考えを示した。与儀会長は「母県からの来伯者の歓迎会を行いたい」と希望を述べ、「要請があればいつでも協力する体制を整えておく」と状況を話した。
 執行部ではまた、パラグアイやボリビアなどの近隣諸国の県人会連合会からも参加を希望しているために、招待状を作って出す準備をしているという。
【県連センター】
 各県人会の間で強まる格差。自前の会館があり、大サロンを所有、宿泊施設などが完備しているところは現在の状況を維持している。一方で、母県の補助金に頼っている県人会は、規模縮小を余儀なくされる状況になってきている。
 三氏は「県人会格差を少なくするためにも県連センターを建てたい。お金の問題もあり、今すぐにはできないだろうから勉強委員会を設置して、二、三年ほど時間をかけていく。建てるのは良いが、運営方法も考えて行かないといけない」と前向きな姿勢を見せた。
     ◎
 最後に与儀会長は「県連がどういう風にして県人会を助けて行くかを考えていかないといけない。県人会を強くして県連も強くしていきたい。そのためにも魅力ある、親しまれる県連にしたい」と力強く語った。