「神戸の水」をブラジルへ=移民一世に贈り物=「記念式典で配りたい」

ニッケイ新聞 2008年4月12日付け

 【神戸新聞】日本最初のブラジル移民が神戸を旅立って二十八日で百年となるのを記念し〃神戸の水〃をブラジルに向けて送る出荷式が九日、神戸・ポートアイランドであった。ブラジルとの交流を進める日伯協会や県、神戸市などでつくる日伯交流年兵庫県実行委員会の主催。

 実行委員会は、移住前の人々がかつて、出国手続きのため滞在した旧神戸移住センター(神戸市中央区山本通三)や船中で飲んだ水を懐かしんでもらおうと寄贈する。
 水は五百ミリリットルのペットボトル四万本。ハウス食品が、神戸で採水しているミネラルウオーター「六甲のおいしい水」を無償提供した。輸出手続きや輸送 は、物流会社「山九」と商船三井が無償で協力。十四日に船で神戸をたち、五月二十四日にパラナグア港に到着後、六月に現地である式典で移民一世らに配る。
 二十八日には同センター屋上で、太陽光からランプに火をともし「友情の灯(ひ)」として神戸港からブラジルへ送り出す。
 灯は、凹面鏡で太陽光から採火。炎は電気エネルギーに変換し、地球儀を模した装置に内蔵してコンテナ船で現地に運ぶ。現地に向かうコンテナ船まで灯 を運ぶ小型船は、最初の移民船「笠戸丸」と同じ二十八日午後五時五十五分、神戸・メリケンパークを出港する。(黒田勝俊記者)