東西南北

ニッケイ新聞 2008年4月15日付け

 先月二十九日に五歳のイザベラちゃんが死亡した事件で、二つの留置所に別々に拘束されていた父親とその後妻が、嫌疑だけでは不十分と、十一日に拘束を解かれ、父親の父親のもとに身を寄せた。報道陣や野次馬らに囲まれ出所した二人は、十三日になって母方の祖父母のもとに身を寄せている二人の子供に会いに行った。真実はまだ解明しきれていないが、この事件では、直接間接に大きな心の傷を負った人たちが出ている。イザベラちゃんのお墓には花を携えて来る訪問者が絶えないともいう。
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 デング熱で市民が不安に陥っているリオ市東部の病院で、小児用集中治療室で加療中の子供四人が七十二時間のうちに死亡し、病院が閉鎖された。リオ市では、デング熱流行のせいで、他の病気の患者への対応も十分出来なくなっているが、院内感染が疑われたこの病院では、四人に共通のバクテリアは検出されていないという。
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 先週の伯字紙に、森林が牧場や大豆畑に作り替えられた場合、保水力がなくなり、気温上昇や水害といった気象変動を起すと書かれていたが、北東伯の水害の広がりは、まさにその影響かと思う状態。先週末までに被害者は四十五万人を超え、死者も三十六人。自然破壊が原因の水害は、もはや自然災害ではなく、人災といえる。
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 セアラー州フォルタレーザ市でダンスの出来るレストランが大盛況。きっと若い人たちが夜通し踊るのさと考えがちだが、実は顧客の多くは年配の婦人で、パートナーの多くは有料の若手。ダンスを始めてから二十キロ以上やせたなど、健康効果もあって、送迎付きで足しげく通う婦人たちは生き生きとしている。