東西南北

ニッケイ新聞 2008年4月16日付け

 パラナ州クリチバ市で犬を巡る争い。というのも、今年の初め、警備用の犬の貸し出しを禁ずる条例が議会で承認されたため。企業家たちは安全対策のために犬の貸し出しを受けようと、裁判にまで訴えている。
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 先週はサンパウロ州のオザスコ市やリベロン・プレット市で刑務所の暴動が起きて死者も出たが、十三日夜、南マット・グロッソ州のカンポ・グランデ市の刑務所が囚人を奪還しようとする犯罪者組織に襲われた。有刺鉄線を切り、正面の入り口に近づいた奪還者たちは小銃で攻撃を加え、内部からは手榴弾で応戦した。結局は奪還に失敗したが、ヘリコプターなども導入したかなり大掛かりな作戦だった。同刑務所には、麻薬密輸犯のベイラ・マルやアバジアなど、大物が収監されている。
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 ミス・ブラジル・コンテストで準優勝したセアラ州のヴァネッサさんは、妊娠中の母親の病気が原因の聴覚障害者。容姿の美しさだけではなく親しみ易さも持つ彼女の願いは、障害者への偏見が少しでもなくなることだという。障害を持った人のミス・コンテスト挑戦は初めてだというが、彼女の勇気に拍手を送る人も多かった様子。
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 偏見といえば、先月サンパウロ州ソコーロ市で生まれた女児は、正常そのものだが、父親が精神薄弱、母親がダウン症ということもあり、生後一ヶ月もたつのに、出生届が受理されずにいる。父母双方の母親が父親とともに登記所に出向き、出生届を出そうとしたのだが、父親が質問に満足に答えられないからと、出生届の受理を拒否されたため。登記所では、司法命令が出れば出生登録をするというが、登記所の扱いに、法律がおかしい、偏見だという声もしきり。