史料館=写真のデジタル化急務=慶応大・西山氏が指導に

ニッケイ新聞 2008年4月18日付け

 移民資料のデジタル化に助っ人―。慶応大学メディアセンター本部の西山洋介デジタル化担当(25)が写真を中心とした資料のデジタル化と、ブラジル日本移民史料館スタッフへの技術移転を目的に、先月末来伯、今月四日まで作業を行なった。
 今回の来伯は、立教大学のラテンアメリカ研究所が中心となって行なっているプロジェクト「ブラジルにおける日系移民資料の分析・保存とデジタルアーカイブ構築・移民百年の軌跡」の一環。
 昨年すでに南麻州のカンポ・グランデとサンパウロ州バストスでデジタル化作業が実施されており、プロジェクト全体の予算は、二年間で八百万円が計上されている。
 史料館が所蔵する六千枚の写真のうち、西山さんは今回二百枚をデジタル保存、今年十月にサンパウロ市で開催予定の「日本移民国際シンポジウム」の資料としても活用されるという。
 なお、四日午後には、関係者を集め、デジタル化に関するレクチャーも行い、「写真をデジタル化することにより、(直接の閲覧がなくなる)オリジナル資料の良質な保存が可能となる」と説明しながらも、「データの継続的な管理も必要」と資料保存の大変さも強調していた。
 今回指導を受けた史料館のスタッフらが残りの資料のデジタル化作業を進めていく予定となっている。