大原綾子さん=コロニア最古の一世

ニッケイ新聞 2008年4月23日付け

 第三回移民船厳島丸で渡伯した〃コロニア最古移民〃の大原綾子さんが二十日午後十一時五十分、呼吸不全のため、市内の病院で死去した。享年百一歳。
 二十一日午後サンパウロ市モルンビー区のPAZ墓地に埋葬された。初七日法要は二十六日午後二時から、サンパウロ市内浄土真宗本派本願寺(サウーデ区シャングア街108、通称・西本願寺)でおこなわれる。自宅はアクリマソン区。
 大原さんは一九〇六年九月十日、熊本県鹿本郡中富村生まれ。旧姓・木村。一二年に第三回移民船「厳島丸」でブラジルへ渡り、一家四人でグアタパラ耕地に配耕。出聖後は、コンデ街にあった日系最古の大正小学校に通った。
 十二歳でサンパウロ州リンス市近郊のカフェザールに入植。二十五歳になった綾子さんは、裁縫の稽古のため出聖。同い年の画家、半田知雄さんとも交流があった。
 最後の笠戸丸移民だった中川トミさんが〇六年十月に亡くなった後、第二回移民船・旅順丸(一九一〇年)の生存者が確認できなかったため、ブラジルに最も長く暮らしている一世として、ニッケイ新聞でも〇七年、〇八年の新年号で報道した。
 昨年九月の誕生日会後、大動脈から出血して二カ月ほど入院したが、十一月末に退院。サンパウロ市内の姪の家で開かれた恒例の忘年会にも出席するなど、元気な姿を家族に見せていた。
 息子の大原毅さんによれば、今月初旬から体調を崩して入院していた。