JICAボランティア=現職教員派遣制度を創設=日系子弟教育を支援

ニッケイ新聞 2008年4月24日付け

 日本政府(外務省および文部科学省)は九日、JICA(国際協力機構)日系社会青年ボランティア事業の中に「現職教員特別参加制度」を創設すると発表した。
 同制度は、中南米諸国の日系人子弟支援の一環として、日本移民百周年、日伯交流年を契機に創設されたもの。
 日本国内の小中高校教員を中南米諸国の日系人団体などが運営する学校に派遣し、日本語・情操教育の指導、日本の歴史・文化・習慣の紹介、学校行事の補助を行うことを目的としている。
 参加教員が帰国後、ブラジルでの経験を在日日系人子弟の教育にいかすとの考えから、募集対象は在日日系人子弟の多く居住する地域の国公立学校教員。日伯両国で日系子弟の支援に取組む試みだ。
 任期は二年で、派遣人数は年間十人程度。当初はブラジルが派遣対象国となる。〇八年度は〇九年度派遣予定者の一部が三週間程度派遣される見込み。
 小林正博・JICAブラジル所長は、「在日ブラジル人子弟への支援、というよりも日本国内の多文化共生の意味合いが大きい。教員らの体験を日伯の相互理解に生かせれば」と話し、サンパウロ州教育局が行なっている日本文化教育プログラム「VIVA・JAPAO」との連携も図る考えだという。