コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年4月25日付け

 東京での百周年式典が終了した。続く神戸式典が終われば、舞台はブラジルへ移り、準備は大詰めを迎える。
 式典始め各種イベント、各地の記念事業、モニュメントの計画もあちこちに。そんな中、「百周年記念碑の話はないのか」と先輩記者が話していたのを思い出した。確かに、これほど端的に移民百年の歩みを表すものはないようにも思える。
 ドイツ移民草分けの地、南大河州サンレオポルドには、今も市中心に移民百周年の記念碑が建つ。百八十周年を過ぎてなお、広場は整備され、隣接する資料館がその歴史を伝えている。
 開拓先没者慰霊碑、サントスの上陸記念碑への訪問者は今も絶えない。それだけの重みがあるからだろう。パラナは以前から百周年記念塔の場所を確保しているが、サンパウロでそういう話が聞こえてこないのは、少々寂しい気もする。(ま)